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トルコ外相がシリア訪問、シャラア大統領と会談、クルド問題など協議

NATO加盟国のトルコは昨年アサド政権が崩壊した後、シリアの主要な同盟国に急浮上した。
2025年8月7日/シリア、首都ダマスカス、シャラア大統領(右)とトルコのフィダン外相(AP通信)

トルコのフィダン(Hakan Fidan)外相が7日、シリアの首都ダマスカスでシャラア(Ahmed al-Sharaa)暫定大統領と会談し、二国間関係、シリアとイスラエルの緊張、およびクルド系組織とシリア政府との最近の衝突について協議した。トルコ外務省の関係筋が明らかにした。

NATO加盟国のトルコは昨年アサド政権が崩壊した後、シリアの主要な同盟国に急浮上した。同国は内戦で荒廃したシリアの再建を支援している。

ロイター通信はトルコ外務省筋の話しとして、「シリアの復興はトルコがシリアでの最近の暴力について抱える安全保障上の懸念に加え、フィダン外相とシャラア大統領との会談における最優先の議題のひとつになる見通しだ」と報じた。

また同関係筋は「この会談では、シリア領土の完全性と統一を維持することがこれまで以上に重要となる中、シリア北東部から生じるトルコの国家安全保障上の懸念、およびテロ組織との闘いにおける両国の協力について評価が行われる」とした。

シリア国防省とクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は2日、北部アレッポ県マンビジュで発生した戦闘について互いを非難した。

国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、SDFがマンビジュ郊外にある軍の前哨基地にロケット弾を撃ち込み、兵士4人と民間人3人が負傷したという。

暫定政府は3月、SDFと国家機関を統合することで合意に達したと発表。シャラア氏がダマスカスでSDFのアブディ(Mazloum Abdi)司令官と会談した。

この合意は14年にわたる内戦で分断された国を再統合し、シリアの4分の1を支配するクルド系勢力と政府の統合の道筋をつけることを目的としている。

この合意が履行されれば、その地域は中央政府の完全な支配下に置かれることになる。

SDFは米政府の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、トルコ政府はこれをテロ組織に指定している「クルド労働者党(PKK)」の同盟組織とみなしている。

トルコ政府はSDFがシリア暫定政府との統合協議で「時間稼ぎ」をしていると主張している。

SDFは昨年末、シリア北部のトルコ国境付近の領土を奪還するため、トルコ政府が支援する「シリア国民軍(SNA)」への攻撃を開始した。

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