◎開票率99%時点でエルドアン氏の得票率が52%、野党統一候補のケマル・クルチダルオール党首が48%。
2023年5月28日/トルコ、イスタンブールの与党事務所前、エルドアン大統領の勝利を祝う市民(Khalil Hamra/AP通信)

トルコで28日、大統領選・決選投票の投票開票が行われ、現職のエルドアン(Recep Tayyip Erdogan、69歳)大統領の勝利が確実となった。

国営アナトリア通信によると、開票率99%時点でエルドアン氏の得票率が52%、野党統一候補のケマル・クルチダルオール(Kemal Kilicdaroglu、74歳)党首が48%。

イスタンブールの与党選挙事務所周辺にはエルドアン氏の支持者が集結し、勝利を祝った。

エルドアン氏はイスタンブールの自宅近くで演説し、高らかに勝利を宣言した。「今後5年間、この国を統治する責任を私に与えてくれた全国民に感謝します...」

エルドアン氏は「バイバイ、ケマル」と冗談を言い、支持者を沸かせた。「ありがとうケマル、さようなら」

アナトリア通信によると、クルチダルオール陣営はまだ声明を出していない。

エルドアン氏は選挙の勝者を「トルコ国家」と宣言し、今年、建国100周年を迎えることを祝った。「選挙の勝者は誰ですか?私ですか?いいえ、違います。今日の勝者はトルコです。誰もトルコを見下すことはできません!」

分断を煽る保守的な支持者たちはメディアが出口調査の結果を公表する前からイスタンブールの中心部を占拠し、車のクラクションを鳴らし、花火を打ち上げ、「エルドアンに祝福を」「神は偉大なり」などと叫んだりした。

国際社会もNATOで重要な役割を担うトルコの大統領選に刮目していた。

エルドアン氏はスウェーデンのNATO加盟に待ったをかけ、ロシアのミサイル防衛システムを購入し、米戦闘機プロジェクトから追い出された。

しかし、エルドアン氏はロシアの侵攻を受けるウクライナの穀物輸出合意を主導し、世界の食料危機を回避する重要な取引の仲介に大きく貢献した。

イスタンブールの集会に参加した女性はAP通信の取材に対し、「差別主義者のクルチダルオールに投票した奴は馬鹿だ」と語った。「シリア難民をひとり残らず追放すると宣言した危険人物に投票した人は誰ですか?」

穏健派とみられていたクルチダルオール氏は今月14日の第1Rでエルドアン氏に差を付けられると、民族主義者の票を集めるために「シリア難民をひとり残らず追放する」と宣言した。

アナトリア通信は首都アンカラの投票所で取材に応じた男性の話しとして、「エルドアンはインフレを加速させたが、74歳の老人は選択肢になかった」と伝えている。

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