◎米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中銀などが利上げに踏み切る中、トルコは逆コースを進み、インフレを抑えるために金利を引き下げている。
トルコの中央銀行は24日、先月の消費者物価指数(CPI)が前年同月から85.51%上昇したにもかかわらず、4カ月連続で主要政策金利を引き下げた。
世界の中銀はインフレを抑えるために利上げに踏み切っている。
報道によると、トルコ中銀の金融政策委員会は金利を1.5%引き下げることを決めた。これで金利は10%を下回ることになった。
エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は経常収支の黒字化を目指すために、金利を下げて生産と輸出を増やしたいと説明している。また同氏は「利下げの効果は徐々に出てくる」という見方を示している。
トルコ中銀も「利下げ=インフレの解毒剤」というエルドアン氏の信念を信じている。一方、その他の国々は「利上げ=インフレの解毒剤」という経済界の常識を信じている。
エルドアン氏は年末までに金利を一桁にするよう要求していた。
地元メディアは政府筋の話を引用し、「大統領は来年6月の大統領選と議会選を意識している」と報じた。
エルドアン氏は借入コストの低下が経済を押し上げると期待している。
同行は先月も1.5%の利下げに踏み切り、8月と9月にはそれぞれ1%ずつ引き下げていた。報道によると、金融政策委員会の緩和サイクルは今月で終了する予定だという。
同委員会は声明で、「世界的なリスクの高まりを考慮し、同委員会は現在の政策金利が適切であると評価し、8月に始まった利下げサイクルを終了する」と述べている。
公式統計によると、10月のCPIは前年同月比で85.51%増となり、生活必需品の価格を押し上げた。しかし、独立系のインフレ研究グループによると、実際のCPIは公式統計よりはるかに高いという。一部の専門家は200%近くに達したと推定している。
米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中銀などが利上げに踏み切る中、トルコは逆コースを進み、インフレを抑えるために金利を引き下げている。スウェーデン中銀は24日、政策金利を0.75%引き上げると発表した。
これらの国々のCPIはトルコをはるかに下回っている。ユーロを採用する19カ国の先月の値は10.6%、スウェーデンは9.3%、米国は7.7%であった。
トルコリラは米ドルに対し、年初以来28%下落している。