◎同国には推定400万匹の野良犬がいる。
2024年7月13日/トルコ、首都アンカラ、野良犬管理法案に抗議する活動家(AP通信)

トルコ議会が17日、政府与党が提出した「野良犬管理法案」の修正案の審議を開始した。

エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の与党・公正発展党(AKP)によると、同国には推定400万匹の野良犬がいる。最大都市イスタンブールや首都アンカラでも野良犬が何食わぬ顔で市内を闊歩し、路地で寝泊まりしている。

AKPは野良犬を一網打尽にし、保護施設に収容し、30日以内に引き取り手がない場合は安楽死させることを目指していた。

しかし、野党と動物愛護団体がこれに猛反発。AKPは修正案を示し、野党に理解を求めている。

すべての野良犬を排除するよう求めている団体「安全な町と生存権を守る会」が最近公表したレポートによると、2022年以降、少なくとも65人が野良犬に噛まれるなどして死亡したという。

政府は今年初め、アンカラで子供が野良犬に襲われ重傷を負ったことを受け、この問題に対処すると約束していた。

愛護団体は30日以内に引き取り手が見つからない場合に殺処分するという案に猛反発。大量殺戮につながると非難し、法案を破り捨てるよう要請した。

国営アナトリア通信によると、この案は削除されたという。

自治体は野良犬を確保し、保護施設に収容して去勢・避妊手術を受けさせる。病気の犬、狂犬病にかかっていると思われる犬、攻撃的な行動をとる犬は安楽死させることができる。

また自治体は2028年までにドッグシェルターを建設するか、既存のシェルターの状況を改善することが義務づけられる。

愛護団体はこれにも懸念を示し、特定の自治体がシェルターに予算を割く代わりに、殺処分という安易な解決策を選ぶかもしれないと主張している。

アナトリア通信によると、修正案の採決時期は未定。

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