麻薬捜査中に銃撃、警察官死亡、容疑者射殺 トルコ
捜査が行われていたのは市中心部の地区。8日早朝に麻薬取り締まりのため家宅捜索が実施された際、住宅内から銃撃を受けたという。
.jpg)
トルコ・イスタンブールで実施された麻薬捜査中、警察官が発砲を受け負傷し、その後死亡した。当局が8日、明らかにした。
捜査が行われていたのは市中心部の地区。8日早朝に麻薬取り締まりのため家宅捜索が実施された際、住宅内から銃撃を受けたという。
死亡したのは特殊部隊に所属していた男性警部補で、年齢は27歳。銃撃により重傷を負い、病院で治療を受けたが、死亡が確認された。州知事室は声明で「麻薬捜査中に重傷を負った警察官は病院で治療を受けたが、殉職した」と発表した。
事件直後、警察は即座に反撃し、発砲したとされる容疑者1人を射殺、さらに別の2人を逮捕したと報告している。逮捕されたのはいずれも過去に暴行や脅迫、麻薬関連などの犯罪歴があった人物だという。
この銃撃事件はトルコ国内で麻薬関連犯罪が増加傾向にある中で起きた。国家麻薬対策部門の報告によると、2024年は2023年に比べ麻薬関連事件が約23%増加した。今回の事件を受けて、イェルリカヤ(Ali Yerlikaya)内相は先週だけで全国的な麻薬取り締まりにおいて970人の容疑者を拘束し、多量の薬物を押収したと明かした。
今回の殉職および容疑者射殺を受け、トルコ当局は麻薬ネットワークの摘発をさらに加速させる姿勢を強めている。一方で、このような激しい捜査と銃撃戦を招く事態は、警察と犯罪組織の対立が深刻化している現状を浮き彫りにした。特に、麻薬をはじめとする犯罪が社会に浸透している地域での市民の安全確保や警察官の命の危険性が改めて問題視されている。
今回犠牲となった警部補の家族には追悼と哀悼の意が表明されており、治安維持と麻薬犯罪撲滅を名目とする厳しい捜査が続く中で、国民の間には不安とともに、警察の迅速で決断力ある対応を支持する声も強まっている。
