▽フィダン氏はシリアのISIS残党を一掃することで、「米国はシリアのクルド勢力との関係を断ち切ることができる」と主張した。
トルコのフィダン(Hakan Fidan)外相は2日、シリアのイスラム国(ISIS)残党と戦うために、シリア暫定政権、イラク、ヨルダンと連携する用意があると表明した。
フィダン氏は訪問先のカタール・ドーハでムハンマド(Sheikh Mohammed bin Abdulrahman bin Jassim Al Thani)首相と会談。その後の共同記者会見でこの問題に言及した。
フィダン氏はシリアのISIS残党を一掃することで、「米国はシリアのクルド勢力との関係を断ち切ることができる」と主張した。
米政府の支援を受けるクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は昨年末、シリア北部のトルコ国境付近の領土を奪還するため、トルコ政府が支援する「シリア国民軍(SNA)」に対する反攻を開始した。
SDFは米の支援を受け、シリアにおけるISISとの戦いで主導的な役割を果たしてきた。その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、トルコ政府はこれをテロ組織に指定している「クルド労働者党(PKK)」の同盟組織とみなしている。
トルコ政府は10年以上前から米政府にクルド派への支援を打ち切るよう求めてきた。
しかし、YPGは現在、シリア北東部で数千人のISIS捕虜を監視、警護している。
フィダン氏は記者団に対し、「最大の問題はテロ組織のYPGがISIS囚人を警護していることだ」と語った。
またフィダン氏はこう強調した。「だから、トルコ、イラク、シリア、ヨルダンはISIS残党と戦うために団結する必要がある。私たちにはそれができる。近い将来、私たちは4カ国としてその一歩を踏み出すことになる。我々はすでにそのための予備協議を行っている...」
さらにフィダン氏はシリア暫定政権がISIS刑務所を管理すれば問題は解決すると主張した。
米政府はISISとの戦いで先頭に立ち、ISIS捕虜を収容している刑務所やキャンプを管理しているSDFおよびYPGを重要な同盟組織とみなしている。
シリア暫定政府を率いるシャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)大統領は先月、地元テレビ局のインタビューで、「クルド部隊は国軍に統合されるべきだと考えている」と語った。
しかし、SDFのアブディ(Mazloum Abdi)司令官はサウジ国営メディアのインタビューで、「我々は自治権の維持を求めている」と述べ、政府の提案は受け入れられないと示唆した。
またアブディ氏は「SDFは国防省との統合に前向きだが、解散せず、その機能を維持することが条件である」と述べていた。