トルコ大統領、アルメニアとアゼルバイジャンの和平努力支援へ

両国は第1次世界大戦中にオスマン帝国軍がアルメニア人を大量虐殺して以来、何度となく敵対し、外交関係を結んでいない。
2025年6月20日/トルコ、イスタンブール、エルドアン大統領(右)とアルメニアのパシニャン首相(ロイター通信)

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は20日、最大都市イスタンブールでアルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相と会談し、アルメニアとアゼルバイジャンの和平努力を支援すると表明した。

トルコ大統領府は声明で、「両首脳はトルコとアルメニアの関係正常化に向けた取り組みについても議論した」と述べた。

パシニャン氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「エルドアン大統領と深い議論を行った」と書いた。

またパシニャン氏は「アルメニアとトルコの正常化プロセス、地域情勢、持続的な対話の重要性についても話し合った」とし、「アルメニアは当地域における平和と安定の構築に引き続きコミットしている」と述べた。

両国は第1次世界大戦中にオスマン帝国軍がアルメニア人を大量虐殺して以来、何度となく敵対し、外交関係を結んでいない。

トルコはアルメニアの宿敵であるアゼルバイジャンを積極的に支援してきた。

アゼル政府は23年9月、アルメニアの工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、係争地ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル軍の集中砲火を受けたナゴルノカラバフの反政府勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。

ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

アゼル軍の勝利により、30年にわたるアルメニア人の支配に終止符が打たれ、市民約12万人がナゴルノカラバフからアルメニアに逃れた。

パシニャン氏はこの敗北以来、トルコとの関係正常化を推進してきた。

トルコはナゴルノカラバフをめぐる紛争でアゼルを積極的に支援した。

トルコ人とアゼル人はチュルク語系民族であり、強い絆で結ばれている。

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