▽インドの係争地カシミール地方で観光客が殺害されて以来、両国間の緊張は一気に高まり、紛争に発展する可能性も出ている。
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トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は28日、インドとパキスタンに緊張を緩和するよう求めた。
エルドアン氏は閣議後、記者団に対し、「両国が緊張を緩和し、インドで発生した事件に連携して対処することを望んでいる」と語った。
またエルドアン氏は両国に自制を求め、対話で対立を解消するよう促した。
インドの係争地カシミール地方で観光客が殺害されて以来、両国間の緊張は一気に高まり、紛争に発展する可能性も出ている。
この事件はジャンムー・カシミール州近郊の山岳地帯にある観光地で22日に発生。正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。
インド政府は事件を受け、パキスタン国民に発行したすべてのビザを26日に剥奪した。
パキスタンはインドの外交スタッフの削減、両国間で唯一機能している陸上国境の閉鎖、インド側に水を送っている水共有協定の停止などの対抗措置を発表した。
またパキスタンはインドが所有または運営するすべての航空会社の領空への進入を禁じ、インドとの貿易を停止した。
インドはこの事件にパキスタン政府が関与していると主張。容疑者を「政府の命を受けたテロリスト」と呼んだ。
パキスタン政府は犯行声明を出した抵抗勢力とのつながりを否定している。
インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。
カシミールでは24年9月末頃から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれている。
カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。
インドとパキスタンは1947年の独立時、65年、71年の計3回、この境界線を巡って衝突(印パ戦争)している。