◎トルコ・シリア地震の死者数は5万人を超え、2~3千万人が被災したと推定されている。
2023年2月22日/トルコ、南部ハタイ県(Emrah Gurel/AP通信)

トルコ政府は25日、南部のシリア国境付近で発生した大地震の建物倒壊に関連して、600人以上の捜査を開始したと発表した。

ボズダグ(Bekir Bozdag)法相は南東部ディヤルバクルに開設した調整センターからの声明で、「倒壊した建物の工事などに関与した612人のうち184人は勾留されている」と語った。

ボズダグ氏によると、捜査の対象になっているのは建物の所有者、建設工事の関係者、設計者、工事管理者など、多岐にわたる。

ボズダグ氏は声明の中で、「当局は影響を受けた建物の調査を進め、証拠を集めている」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

トルコ・シリア地震の死者数は5万人を超え、2~3千万人が被災したと推定されている。被害の全容は未だに明らかになっておらず、特にシリア側ではクルド人の反体制派とアサド政権の対立が復興作業に影響を与えると懸念されている。

トルコの被災者は数十万戸の建物が構造的な問題で深刻な被害を受けたことに怒りを表明している。

専門家によると、倒壊した建物の多くが建築基準法で定められている設計基準を無視して建てられたものだという。基準に満たない木材を使った民家、鉄筋不足、コンクリの強度不足、基礎のない掘っ立て小屋などだ。

野党はエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が違法建築を黙認してきたと非難している。

国営アナトリア通信によると、震源地に近いカフラマンマラシュ県の自治体の市長が倒壊した建物に関する調査の一環として拘束されたという。

この市長はエルドアン氏の与党・公正発展党(AKP)の党員と伝えられている。アナトリア通信によると、市長は事情聴取に対し、「法に基づく建設工事の検査を徹底できなかった」と供述したという。

一方、災害緊急事態対策庁(AFAD)は25日、「被災地では2月6日の本震以来、9500回近くの余震が発生した」と報告した。

AFADの報道官は「余震は少なくとも2年間は続くと予想している」と述べた。

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