トルコ大統領「北キプロスの独立揺るがない」キプロスに圧力
1974年のキプロス紛争でキプロス島が二分されて以来、キプロスとトルコはその地位をめぐって激しく対立してきた。
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トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は20日、隣国の島国キプロスから分離独立した「北キプロス・トルコ共和国(通称北キプロス)」の記念式典に出席し、北キプロスへの支持を改めて強く表明した。
エルドアン氏は演説の中で和平交渉の再開を示唆したが、「北キプロスの主権と独立を保障しない限り、いかなる取引にも応じない」と主張した。
またエルドアン氏は北キプロスを独立した民主国家と呼び、和平交渉が再開された場合、全面的に支援すると約束した。
北キブロスではこの日、分離独立から51年を記念する式典と軍事パレードが行われた。エルドアン氏はトルコ系キプロス人の喝采を浴び、国家統一を目指すギリシャ系キプロス人に冷や水を浴びせた。
1974年のキプロス紛争でキプロス島が二分されて以来、キプロスとトルコはその地位をめぐって激しく対立してきた。北キプロスはトルコ軍の支援を受けて1983年に独立を宣言したが、国際社会はこれを認めていない。
北キプロスの独立を認めているのはNATO第2の軍事力を誇るトルコだけである。
北キプロスはトルコにとって戦略的に重要な位置にあり、同国全体と沿岸の炭化水素資源にアクセスできるようなる可能性がある。
エルドアン氏は「二国家解決を完全に支持し、それ以外の解決策はない」と述べた。
キプロス政府はこの発言に反発。国家統一を目指すという方針に変わりはないと強調した。
今年の軍事パレードは暑さを避けるため、夜間に行われた。
トルコ系キプロス人のクーデターに端を発するトルコの侵攻は1983年の北キプロス独立で結実。強力なトルコ軍はこの地域に兵士3万5000人を駐留させ、キプロスを威嚇し続けている。
この数十年間、国連が仲介した数多くの協議はトルコ系キプロス人と多数派であるギリシャ系キプロス人の間で、連邦制の下での権力分立を形成することに焦点を当ててきた。
しかし、トルコと北キプロスは2017年、トルコがこの島における恒久的な軍事的プレゼンスと憲法に明記された軍事介入権を維持できるかどうかという意見の相違により、方針を変更した。
それ以来、エルドアン氏と北キプロスの首長は米国やEUなどから非難されている二国家体制に帰結するようキプロス政府に圧力をかけ続けている。