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トルコ北西部でM5.4の地震、ケガ人の情報なし

トルコはユーラシアプレート、アナトリアプレート、アラビアプレート、アフリカプレートなど複数のプレートが交差する地質学的に非常に複雑な地域に位置している。
2023年2月22日/トルコ、南部ハタイ県(Emrah Gurel/AP通信)

トルコ北西部キュタヒヤ県で28日、マグニチュード5.4の地震が発生した。現時点で死傷者の情報はない。

地元当局によると、地震は現地時間12時59分に発生。震源の深さは8キロ、津波は発生しなかった。

震源から100キロ北に位置する最大都市イスタンブールでも揺れが感じられた。

地元テレビ局が報じた映像には、揺れの後、広場や公園に人々が集まる様子が映っていた。

報道によると、建物被害やケガ人の情報はなく、地元当局が被害の有無を確認中。

トルコはユーラシアプレート、アナトリアプレート、アラビアプレート、アフリカプレートなど複数のプレートが交差する地質学的に非常に複雑な地域に位置している。このため、国内には多くの活断層が存在し、地震活動が非常に活発である。特にアナトリアプレートは、アラビアプレートに押される形で西へ移動しており、それに伴ってトルコ全土に強い地震が発生する可能性がある。

トルコで最も重要かつ危険とされている活断層は北アナトリア断層である。これは国の北部を東西に横断する巨大な横ずれ断層で、東部アナトリアからマルマラ海、さらにはイスタンブール近郊にまで至る。この断層は20世紀だけでも複数の大地震を引き起こしており、特に1939年の地震(M7.9)、1999年のイズミット地震(M7.6)は甚大な被害をもたらした。1999年の地震では約1万7000人が死亡し、多数の建物が倒壊した。

南東部には東アナトリア断層が存在し、これもアラビアプレートとの境界であり活発な地震帯である。この地域でも2023年にM7.8の大地震が発生し、トルコとシリアにまたがる広範囲で壊滅的な被害を出した。さらに、マルマラ海周辺ではM7クラスの大地震が将来的に発生すると予測されており、特に人口が密集するイスタンブールでの被害が懸念されている。

トルコ政府はこうした地震リスクに対応するため、耐震基準の強化や都市の再開発、防災教育に力を入れている。しかし、違法建築や建築基準の未遵守、都市計画の遅れといった問題も残っており、地震発生時の被害を拡大させる要因となっている。

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