◎両国は地中海・エーゲ海の海洋境界線やキプロス問題をめぐって対立している。
トルコ政府は7日、ギリシャにエーゲ海の島々から軍を撤退させるよう求め、非武装化に応じなければ異議を申し立てると警告した。
チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相は北マケドニア政府との共同記者会見で、「ギリシャは1923年のローザンヌ条約と1947年のパリ条約に違反してエーゲ海の島々を武装させている」と非難した。
トルコは1923年のローザンヌ会議でダーダネルスとボスポラス両海峡の非武装化とキプロス島などの割譲を認め、国際的地位を回復した。
両国は地中海・エーゲ海の海洋境界線やキプロス問題をめぐって対立している。
チャブシオール氏はギリシャ政府に対応を求め、応じなければ両国の関係はさらに傷つくとした。「ギリシャは協定を破り、武装しています。もしギリシャが対応しなければ、島の主権は再び議論されることになるでしょう...」
ギリシャ政府は、トルコはローザンヌ条約を誤解していると主張し、「島々の武装化はトルコの脅しに対応するもの」と指摘している。
トルコはギリシャが領海を拡張すれば戦争に発展すると警告している。
この警告はスウェーデンとフィンランドのNATO加盟に向けた交渉に影響を与える可能性がある。エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は先週、ギリシャとのハイレベル協議を打ち切ったと発表したばかりである。
またエルドアン氏は先月、ギリシャのミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相との会談を中止した。
一方、ギリシャ政府はロシアのウクライナ侵攻が進む中、エーゲ海の問題で争うべきではないとトルコに自制を求めている。
ミツォタキス氏は7日の声明で、「2020年夏のような緊張状態にはまだほど遠いと思う」と述べ、地中海東部のガス探査権をめぐる緊張を引用した。「今日、誰もが自制を示す必要があります。NATOは今、ロシアのウクライナ侵攻という非常に大きな課題に直面しています」
チャブシオール氏は「国連にも書簡を送った」と述べ、ギリシャに回答を求めた。