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▽オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1984年に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。
2025年3月11日/トルコ、首都アンカラ、エルドアン大統領(AP通信)

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は11日、シリア暫定政府がクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」を国家機関に統合することで合意に達したことを歓迎した。

エルドアン氏は記者会見で、「この合意が完全に履行されれば、シリアの安全と安定に大きく貢献するだろう」と語った。

SDFは米の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、トルコ政府はこれをテロ組織に指定している「クルド労働者党(PKK)」の同盟組織とみなしている。

シリア暫定政府のシャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領は10日、首都ダマスカスでSDFのアブディ(Mazloum Abdi)司令官と会談し、協定に署名した。

SDFは2015年以来、シリア北部のクルド人自治区を支配している。

この合意はSDFが管理する領土、空港、石油・ガス田などを中央政府の管理下に置くことを定めている。

エルドアン氏は「昨日シリアで成立した合意の完全履行はシリアの安全と安定に貢献するだろう。その恩恵を受けるのはシリア国民である」と述べた。

またエルドアン氏は「シリアの領土保全、単一構造の維持、統一と安定の強化を重視している」と強調した。

トルコ政府高官はこれに先立ち、この合意について、「その履行に注目している」と述べていた。

SDFが支配する地域の憲法上の地位、自治権が保持されるかどうかは不明だ。

アブディ氏は先月、サウジ国営メディアのインタビューで、「我々は自治権の維持を求めている」と述べていた。

オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1984年に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。

SDFは昨年末、シリア北部のトルコ国境付近の領土を奪還するため、トルコ政府が支援する「シリア国民軍(SNA)」に対する反攻を開始した。

一方、シリア暫定政府は10日、北西部ラタキア県とその周辺における軍事作戦を終了したと発表した。

ラタキア県では暫定政府を支持する民兵とアサド派の武装勢力による戦闘が激化し、この1週間で1300人以上が死亡したとされる。

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