◎警察は16の県で一斉家宅捜索を行い、テロ組織に指定されているクルド労働者党(PKK)の一員と疑われる55人やニュースキャスターなどを逮捕した。
トルコの警察当局は3日、首都アンカラの内務省ビル前で発生した自爆テロとの関連を疑われる組織や個人を取り締まり、約1000人を逮捕したと明らかにした。
地元メディアによると、警察は16の県で一斉家宅捜索を行い、テロ組織に指定されているクルド労働者党(PKK)の一員と疑われる55人やニュースキャスターなどを逮捕したという。
内務省の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「PKKのテロリスト少なくとも12人が5つの県で逮捕された」と明らかにした。
爆発物を装着した自爆犯は1日、アンカラ中心部にある内務省ビルの入り口付近で自爆。警察官2人が軽傷を負った。警察はこの自爆犯と一緒にいた別の男を射殺している。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。トルコ、米国、EUはPKKをテロ組織に指定している。
地元メディアによると、1日の自爆テロを称賛したとされる73歳のニュースキャスターも自宅で逮捕されたという。
内務省は「一斉取り締まりの中で銃器密輸に関与したと疑われる928人も逮捕した」と述べているが、それがPKK関連かどうかは明らかにしていない。
また内務省は840丁以上の銃器も押収したとしている。
トルコ当局は内務省ビル前で死亡した1人をPKKの構成員と特定したとみられる。その数時間後、トルコ空軍はイラク北部にあるPKKの拠点を空爆。国防省はこの空爆で多数のPKK戦闘員を無力化したと発表した。