◎爆弾は市場の近くを通る道路に停車していた車に仕掛けられていた。
トルコ政府は16日、警察官を乗せた装甲車に対する爆弾テロ攻撃で9人が負傷したと発表した。
事件はクルド人が多く住む南東部の最大都市ディヤルバクル市で発生した。
ソイル(Suleyman Soylu)内相は声明で、「このテロに関与した5人を拘束した」と明らかにした。
ディヤルバクルの警察当局によると、爆弾は市場の近くを通る道路に停車していた車に仕掛けられていたという。
装甲車に乗っていた警察官8人と民間人1人が念のため医療機関に搬送されたものの、まもなく退院したと伝えられている。
当局によると、犯行声明は出ていないという。しかし、ソイル氏は逮捕した5人のひとりの兄が治安当局の取り締まり中に死亡していたことに触れ、「クルド人による報復テロの可能性が高い」という見方を示した。
クルド人武装勢力は過去にもディヤルバクルで同様の攻撃を行ったことがある。また、イスラム過激派や左翼ゲリラも同様のテロ攻撃を起こしたことがある。
イスタンブールの歩行者天国で先月発生した爆弾テロでは子供2人を含む6人が死亡、80人以上が負傷した。
トルコ政府はこの攻撃を反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」及びそれに属するシリアのクルド人テロ組織の犯行と断言し、シリア北部への空爆を開始した。
PKKやシリア北部に拠点を置く「クルド人民防衛部隊(YPG)」などのクルド人勢力は関与を否定している。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。トルコ、米国、EUはPKKをテロ組織に指定している。