◎一部のアナリストは今月6日に発生したトルコ・シリア地震がインフレを後押しする可能性があると警告している。
2023年2月22日/トルコ、南部ハタイの住宅地(Emrah Gurel/AP通信)

トルコの中央銀行は23日、消費者物価指数(CPI)が3カ月連続で減少したことなどを受け、主要政策金利を0.5%引き下げると発表した。

同行の金融政策委員会は金利を9%から8.5%に下げることで合意した。

先月のCPIは前年同月比で57.68%増。昨年12月の64.27%、11月の84.39%から大幅に低下したものの、主要国と比べるとはるかに高い水準を維持している。

同行は昨年8月から11月にかけて金利を5%引き下げ、以降は据え置いていた。

地元メディアによると、最大都市イスタンブールを含む都市部のインフレはこの3カ月で多少緩和されたものの、人口の大多数を占める低中所得者層は厳しい生活を余儀なくされているという。

米連邦準備制度理事会(FRB)を含む世界の中銀はインフレを抑え込むために利上げを続けている。

一部のアナリストは今月6日に発生したトルコ・シリア地震がインフレを後押しする可能性があると警告している。

両国の死者数は5万人近くに達し、民家やアパートなど少なくとも16万4000戸が倒壊した。当局は救助活動を打ち切り、復興に向けた取り組みを進めるとしているが、被害の全容はいまだに明らかになっておらず、数百万人が避難生活を余儀なくされている。

中銀は23日、「今回の地震が中期的にトルコ経済に影響を与えることはない」と説明した。「地震は短期的には経済活動に影響を与えると思われますが、中期的にみると、トルコ経済のパフォーマンスに恒久的な影響を与えるとは考えていません...」

多くの専門家がトルコの物価上昇について、「利下げ=インフレの解毒剤」というエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の信念がもたらしたものと指摘している。

他国の中銀は「利上げ=インフレの解毒剤」という経済界の常識に基づき、利上げに踏み切っている。

エルドアン氏は今月初め、各国の利上げを批判し、同国の中銀は金利をさらに引き下げると示唆していた。

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