トルコ25年9月インフレ率+32.5%に低下=ロイター調査
中銀は今月初め、政治リスクの高まりと予想を上回るインフレ率を背景に、政策金利を2.5%引き下げて40.5%に設定。緩和サイクルを減速させた。
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トルコの25年9月の消費者物価指数(CPI)が低下したとみられる。
ロイター通信は26日、エコノミスト13人のデータを更新し、9月のインフレ率を前年同月比32.5%増、前月比で2.6%増と予想した。
エコノミストたちは教育・関連サービスの価格上昇や、卵・肉・その他食品の値上げが9月のインフレ率に影響を与えたと指摘している。
米金融機関グループのモルガン・スタンレーはトルコ中央銀行が最近食品・サービス関連のインフレ圧力を強調していることから、今回のインフレデータが注視されると強調した。
中銀は今月初め、政治リスクの高まりと予想を上回るインフレ率を背景に、政策金利を2.5%引き下げて40.5%に設定。緩和サイクルを減速させた。
市場はインフレ率が年末までに30%を下回ると予想している。
トルコの近年のインフレ率は高水準で推移しており、経済・政策運営の大きな課題となっている。2022年には年間の上昇率が72.3%に達した。その後、急激な利上げや通貨安抑制政策の導入により、インフレ率は緩やかに低下傾向を示した。23年は53.9%と依然として高水準であった。
24年にはインフレ率がさらに低下し、60%前後という水準が報告されていた。25年に入ってもインフレ率の低下傾向は継続しており、25年3月には38.1 %に低下。また、9月時点で32.5%と予測されており、月次ベースでは物価上昇率が2~3%程度になる見通しである。
このように、トルコではかつては「ハイパーインフレ」に近い状況にあったが、政策転換により着実にインフレを抑制する段階に移行しつつある。ただし、30%前後という水準は依然として先進国と比べれば極めて高く、通貨価値の下落、賃金・生活費の上昇、国民の購買力低下といった経済的なプレッシャーは残存している。政策当局はインフレ期待の抑制、通貨安の牽制、緩やかな金利調整を通じて、将来的な更なる物価安定化を目指している。