◎オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、これまでに数万人が死亡したと考えられている。
トルコの警察当局は25日、クルド人武装勢力との関係が疑われる施設を家宅捜索し、100人以上を逮捕したと明らかにした。
国営アナトリア通信によると、捜索は21県で行われたという。
クルド人系野党の国民民主主義党(HDP)はツイッターに声明を投稿。「過半数を失いたくない与党は政治家、ジャーナリスト、弁護士、人権活動家を逮捕することで保守層の支持を得ようとしている」と主張した。
トルコは5月14日に総選挙を控えている。
HDPは「エルドアン政権は敗北を恐れ、再び一斉逮捕に踏み切った」と批判した。
アナトリア通信によると、逮捕された人々はテロ組織に指定されているクルド労働者党(PKK)に資金を提供したり、プロパガンダの拡散に関与した疑いがあるという。
米国とEUもPKKをテロ組織に指定している。
クルド系メディアは拘束された人々の中にジャーナリストが含まれると報じた。
3期目を目指すエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は厳しい選挙戦に直面している。
最新の世論調査によると、エルドアン氏と野党統一候補のキリクダログル(Kemal Kilicdaroglu、共和人民党)党首との差はわずかであり、大接戦の様相を呈している。
HDPは候補を擁立せず、キリクダログル氏を支持している。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、これまでに数万人が死亡したと考えられている。