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トルコ外相「ハマス武装解除前にガザの統治確立すべき」

トルコは停戦合意をただの一時休戦ではなく、持続可能な平和と安定、ガザの将来的な自治を見据えた包括的なプロセスと位置付けており、その実現にあたっては段階的かつ慎重な設計が必要だとの立場を明確にしている。
トルコのフィダン外相(Getty Images/AFP通信)

トルコのフィダン(Hakan Fidan)外相は6日、カタール・ドーハのフォーラムでパレスチナ問題に言及し、イスラム組織ハマスによる武装解除はガザ地区での新たな統治体制と正規の警察部隊の設置が先行されるべきだとの考えを示した。

フィダン氏は「信頼できるパレスチナ人による文民行政」と「ハマス関係者を排除した訓練された警察力」の構築が不可欠と強調。それが整備されて初めて、ハマスからの権力移譲と武装解除を進めることが現実的であり実行可能だと述べた。

またフィダン氏は、「こうした段階を踏まずに停戦合意の第一段階でハマスに武装解除を求めるのは、現実的でも実行可能でもない」と断言した。

提案されている警察部隊は国際安定化部隊の後ろ盾を受ける予定で、ハマスの影響を受けない、パレスチナ人主体の治安維持組織になる予定だ。NATO加盟国のトルコはこの安定化部隊への参加を申し出ており、米国側はその参加をイスラエルに働きかけていると報じられている。

フィダン氏は今回の停戦案の先送りや停滞が、国際社会、ひいては米国にとって「大きな失敗」になるとの懸念を示した。特に、同案はトランプ(Donald Trump)大統領が主導したものであり、合意履行の遅れはトランプ氏の怒りを買い、国際的信頼を損なう可能性があると警告している。

このようにトルコは、停戦合意をただの一時休戦ではなく、持続可能な平和と安定、ガザの将来的な自治を見据えた包括的なプロセスと位置付けており、その実現にあたっては段階的かつ慎重な設計が必要だとの立場を明確にしている。

一方で、提案される新たな警察部隊の構成や国際安定化部隊の規模・権限、現地住民の受け入れ態勢、治安と人道支援の両立など、実務面での課題も多く、交渉は難航が予想される。

停戦合意の第一段階である武力衝突停止、人質解放、人道支援に続き、ガザの将来の統治構造と治安維持体制の構築。その順序と条件を巡る国際交渉は、今後の和平プロセスの成否を左右する核心となる。

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