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トルコ大統領、イスラエルによるソマリランド国家承認を非難

イスラエルは昨年末にソマリランドを国家として承認、国連加盟国が承認したのは初めてであった。
2022年8月30日/トルコ、首都アンカラ、エルドアン大統領(Burhan Ozbilici/AP通信)

トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は17日、イスラエルがソマリアの分離独立地域であるソマリランドを独立国家として承認したことについて、「ソマリランドにもアフリカ全体にも何の利益ももたらさない」と強く批判した。エルドアン氏は訪問先のエチオピア・アディスアベバでアビー(Abiy Ahmed)首相との共同記者会見で、この立場を改めて強調した。

ソマリランドは1991年にソマリアからの独立を宣言したものの、これまで国際的な承認は得られていなかった。イスラエルは昨年末にソマリランドを国家として承認、国連加盟国が承認したのは初めてであった。この動きに対し、ソマリア政府やアフリカ連合(AU)を含む複数の地域勢力が主権侵害と猛反発している。エルドアン氏はイスラエルの決定を違法で容認できないものとし、外国勢力による地域の不安定化を招く恐れがあると批判した。

またエルドアン氏は、ソマリランドをめぐる対立が続いていることについて、「新たな紛争が起きることを望んでいない」と述べた。さらに、この地域の問題は域内の国々が解決すべきであり、外部勢力の介入による“勢力争いの場”にすべきではないと強調した。そして、トルコがこの地域で国家主権と領土保全を重視していることも表明し、エチオピアとの経済関係の強化に触れた。この中には、200以上のトルコ企業が約2万人の雇用を支え、鉄道やエネルギーなど複数のインフラ事業に関与することが含まれるという。

トルコはソマリア政府との関係強化にも力を入れている。ソマリアはイスラエルの承認決定を受けてアラブ首長国連邦(UAE)との外交関係を断絶し、代わってカタールと防衛協定を結んだ。トルコはソマリアに軍用機を展開するなど支援を示す一方、イスラエルに対してはガザ地区での行動を「ジェノサイド」と非難し、貿易関係を完全に停止するなど厳しい対応を取っている。

エルドアン氏の今回の発言は、イスラエルのソマリランド承認が引き起こした地域的な緊張と外交的波紋の中で、トルコが主導的な立場からアフリカ大陸の安定と国家主権の尊重を訴えていることを象徴している。エルドアン氏は域内での影響力を拡大する取り組みを続ける意向を示し、外部勢力による地域紛争の拡大を阻止する姿勢を強調した。

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