トルコ政府、イランへの介入に警戒感示す「国内で解決すべき」
与党・公正発展党(AKP)の報道官は首都アンカラの記者団に対し、「イランの問題はイラン社会の内部力学とイラン国民の意思によって解決されるべきだ」と述べ、外国による関与を明確に牽制した。
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トルコ政府は12日、イランで発生している大規模な反政府デモをめぐり、いかなる外国による介入も地域の危機をさらに深刻化させる恐れがあるとして、強く警戒する立場を表明した。与党・公正発展党(AKP)の報道官は首都アンカラの記者団に対し、「イランの問題はイラン社会の内部力学とイラン国民の意思によって解決されるべきだ」と述べ、外国による関与を明確に牽制した。
この発言はイラン全土で1980年代以来最大規模ともいわれる抗議活動が続く中でのものである。抗議は経済的困窮や政治体制への不満を背景に拡大し、指導部の統治に対する批判が高まっている。トランプ(Donald Trump)米大統領はイラン政府がデモ参加者に武力を行使した場合、介入する可能性を示唆し、これに対してNATOの同盟国であるトルコが慎重な対応を求める立場を強調した形だ。
AKPの報道官は、「外国の介入はイラン国内だけでなく、地域全体に深刻な影響を及ぼす可能性がある」と指摘。特にイスラエルによる干渉の試みはさらなる危機を招く恐れがあると警鐘を鳴らした。また報道官はこの問題について、「トルコは混乱を望んでいない。イランの課題は国内で解決すべきだ」と述べた。
トルコのフィダン(Hakan Fidan)外相も同日、国営テレビの取材に対し、抗議活動には経済格差や政治的不満に基づく正当な側面がある一方で、「国外からの影響が加わっている」との見方を示した。またフィダン氏は、イランと米国が対話を通じて問題解決に向かうべきだとし、対立が軍事的緊張に発展することへの懸念を改めて表明した。
現在の抗議活動は2022年以降最大規模となり、死者は複数の人権団体によって数百人単位で報告されているものの、正確な統計は通信遮断などの影響で確認が困難な状況だ。このような情勢を背景に、トルコの立場は周辺地域の安定維持と外交的解決の重要性を強調するものとして受け止められている。
トルコとイランは宗教的背景や地政学的な立場は異なるものの、隣国として長年貿易関係を有し、混乱が持続すれば双方にとって経済・安全保障上の重大な影響が懸念される。そのためトルコは、介入よりも対話と交渉の道を優先させるべきとの立場を明確にしている。 この立場は、地域大国としての外交姿勢の表れであると同時に、イラン情勢の深刻化を避けるための予防的な発言であると分析される。
