トルコ当局、イランに情報提供したスパイ6人を逮捕
査はイスタンブール地方検察庁、対テロ警察、国家情報機関(MIT)が合同で進めたもので、同国の5州で同時捜査が行われたという。
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トルコ当局がイランのために政治・軍事スパイ活動を行った疑いで男女6人を逮捕した。国営メディアが29日に報じた。それによると、逮捕された6人の中にはイラン国籍者1人が含まれている。捜査はイスタンブール地方検察庁、対テロ警察、国家情報機関(MIT)が合同で進めたもので、同国の5州で同時捜査が行われたという。
当局によると、容疑者たちはトルコ国内外の軍事基地や重要施設についての情報を収集し、その情報をイラン側に提供した疑いがある。特に南部アダナ県にあるNATO管理下の空軍基地の周辺で偵察活動を行っていた疑いがあるという。この基地は米軍をはじめとする同盟軍の重要な拠点であり、外国勢力による監視の対象となり得る場所だとして、トルコ当局の警戒が強まっていた。
また、容疑者たちはトルコを経由したドローンの輸送に関与し、その用途や運用に関する情報をイランの情報機関に伝達していた可能性も指摘されている。こうした活動は国家安全保障を著しく損なう恐れがあるとして、当局は重い罪に問う構えだ。
逮捕はイスタンブールや首都アンカラなどでほぼ同時に行われ、捜査員は関係者の通信履歴や接触記録、追跡映像などを押収したとみられる。6人は現在、裁判所の判断を待つため勾留されている。
捜査資料には、容疑者の一部がイラン革命防衛隊(IRGC)の情報部隊と連絡を取っていた可能性があるとの記述も含まれており、トルコ当局はイラン側の具体的な関与の程度を引き続き調査している。IRGCはイランの主要な準軍事組織で、国内外での情報活動や軍事作戦に深く関与している組織だ。
トルコでは近年、外国の情報機関に関連した容疑での逮捕が複数回行われている。これまでもイスラエル、ロシア、そしてイランに関連するスパイ事件が摘発され、国家情報機関は国防上の脅威として警戒を強めている。今回の6人の逮捕も、こうした背景の延長線上にあるものとみられている。
今回の逮捕は、地域情勢が複雑化する中でトルコが自国の安全保障をいかに確保していくかという課題を改めて浮き彫りにしている。トルコは中東や黒海、地中海を結ぶ戦略的要衝に位置し、NATO加盟国として西側諸国との協力関係を維持する一方で、周辺地域との外交・安全保障政策を慎重に進める必要がある。
一方、イラン側からの公式なコメントは直ちに出ていない。しかし、同国は最近、国内で続く抗議活動や国際的な圧力に直面しており、地域の緊張が高まっている状況にある。このため、今回の捜査結果がトルコとイランの外交関係に与える影響も注目されるところだ。
トルコ当局は今後も関係機関と連携し、事件の背景や関与組織の全容解明に努める方針を示している。内外の安全保障環境が複雑化する中で、情報戦の防止と国家防衛の強化が引き続き重要な課題となる。
