ガザ停戦交渉、トランプ政権の中東担当特使が合意に自信示す

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は8日午後の時点で5万7575人、負傷者は13万6879人となっている。
2025年7月8日/米ワシントンDC連邦議会議事堂、イスラエルのネタニヤフ首相(中央)(ロイター通信)

トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、2日連続でイスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と会談し、ガザ問題について協議した。

トランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使はこの日、イスラエルとイスラム組織ハマスによる停戦交渉が合意に近づいていると示唆した。

ネタニヤフ氏は大統領執務室で1時間余りの会談を行った後、8日夕方にホワイトハウスを後にした。

この会談は非公開で行われた。

2人は前日にも数時間にわたって会談した。

ネタニヤフ氏がホワイトハウスを出た後、ウィトコフ氏は記者団に対し、「イスラエルとハマスが合意に至らない問題は4つから1つに減り、今週中に一時的な停戦合意に達することを期待している」と語った。

またウィトコフ氏は「今週中に60日間の停戦合意に達する見込みである。10人の人質が解放され、9人の遺体も戻ってくると期待している」と述べた。

トランプ氏は先週初めにイスラエルが60日間の停戦に向けた条件に同意したと明らかにした。

イスラエル側は5月末にウィトコフ氏が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めていた。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案していた。

トランプ氏はイスラエルが同意した停戦の条件を明らかにしておらず、ウィトコフ氏が示した案と同じかは不明である。

ハマスは過去の協議で「恒久的な停戦」を求めてきた。

一方、ハマス壊滅を目指すイスラエルは「期間を定めた停戦」には応じる姿勢を示している。

意見の隔たりは大きく、協議が前進するかは不透明な情勢だ。

米国とイスラエルが主導するガザ人道財団(GHF)は5月27日に南部の複数のエリアで配給所の運営を開始。それ以来、この配給所付近で600人以上のパレスチナ人が殺害された。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は8日午後の時点で5万7575人、負傷者は13万6879人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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