主要国が「ホルムズ海峡」護衛任務を拒否、トランプ氏憤慨
トランプ氏は週末、ホルムズ海峡の安全維持について国際的な連帯を強調し、日本や欧州諸国、中国に対し艦艇による護衛任務の参加を求めた。
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トランプ(Donald Trump)米大統領が中東情勢の悪化を受けて、ホルムズ海峡の安全確保に向け同盟国に支援を強く求めたものの、主要なパートナー国がこれに応じない姿勢を示し、トランプ政権内外に不満が広がっている。ホルムズ海峡は世界の原油輸送の2割が通過する戦略的要衝で、紛争下での閉鎖や航行の危険性が国際的なエネルギー市場に大きな影響を及ぼしている。そうした中、トランプ氏は同盟国に軍艦の派遣を求めたが、多くが消極的な対応にとどまっている。
トランプ氏は週末、ホルムズ海峡の安全維持について国際的な連帯を強調し、日本や欧州諸国、中国に対し艦艇による護衛任務の参加を求めた。一部報道では、トランプ政権が中国やフランス、イギリス、韓国などに協力を働きかけていると伝えられているものの、具体的な合意には至っていない。
これに対し、ドイツ、スペイン、イタリアなど多くの欧州諸国は軍艦派遣に否定的な立場を示した。ドイツ政府は軍事的関与を明確に拒否し、「この戦争は我々の戦争ではない」と表明した。また、スペインやイタリアも外交的解決を優先する姿勢を崩さず、艦艇派遣についての計画はないとしている。
日本についても高市(Sanae Takaichi)首相は16日、現時点でホルムズ海峡への自衛隊派遣計画はないと述べ、憲法や法的制約の枠内で対応を検討しているにとどまるとの立場を示した。オーストラリアも同様に海軍派遣の予定はないとしている。
一部の国は条件付きの協力意向を示すものの、具体的な軍事的貢献を表明した国は限られている。イギリスやデンマークは慎重な姿勢を取りつつ外交努力と地域の安定化を重視し、海峡安全保障の議論は続けるものの即時の派遣には踏み切れていない。
同盟国の消極的な対応についてトランプ氏は不満を示し、特に長年の軍事同盟関係にある国々が期待に応えていないとの見方を強めている。トランプ氏はNATOなどの同盟関係を引き合いに出し、「なぜ米国だけが責任を負うべきなのか」と不満を表明した。
この動きは2月末に米国とイスラエルがイランに対して軍事行動を開始したことに端を発し、イランが報復として海峡周辺での行動制限を強めたことが背景にある。海峡の封鎖や攻撃威嚇によって原油の輸送が停滞し、世界的なエネルギー価格の上昇や経済的な不安定化が進行しているとみられる。
米国は自国の海軍力による航行の再開支援を打ち出しているが、米海軍内部ではリスクの高さから即時の護衛実施には慎重な声も上がっているとの観測も報じられている。このため、トランプ政権の方針と現場の対応との間に温度差が存在するとの指摘もある。
こうした同盟国の拒否や慎重姿勢は、中東での軍事的関与を拡大したくないとの各国の意向を反映しているともみられており、外交的な解決策の模索が継続する一方で、ホルムズ海峡の安全保障は依然として不透明な状況が続いている。
