トランプ氏とイスラエル首相、ガザ和平計画の次段階を協議へ
両首脳は10月に合意した停戦の履行とそれに続く和平プロセスを前進させる方策などについて話し合う予定だ。
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トランプ(Donald Trump)米大統領が12月29日、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相とフロリダ州の私邸マー・ア・ラゴで会談し、パレスチナ・ガザ地区を巡る和平計画の「次の段階」について協議する。両首脳は10月に合意した停戦の履行とそれに続く和平プロセスを前進させる方策などについて話し合う予定だ。
この会談は、トランプ政権が仲介してまとめられたガザ紛争終結に向けた20項目の和平案の実施を巡る重要な局面となる。和平案は10月の停戦合意に基づきイスラエルの段階的撤退とイスラム組織ハマスの武装解除、暫定的な統治機関の設立を目指すもので、国際安定化部隊の配置なども盛り込まれている。しかし、計画の第2段階に関しては具体的な進展が見られず、双方が互いの責任を押し付け合う状況が続いていた。
米国とイスラエルが合意した和平の第1段階では、停戦と人質の解放が中心となり、ハマスは多数のイスラエル人囚人を解放した一方で、最後の人質の遺体の引き渡しが遅れていることもあり、次の段階の開始は先送りされている。第2段階では、ハマスの全面的な武装解除、イスラエル軍の更なる撤退、国際安定化部隊の本格的な展開が求められるが、これが大きな課題となっている。
ネタニヤフ氏は会談に先立ち、第2段階への移行が近いとの認識を示しているものの、和平プロセスの進展には依然として困難が付きまとうとの見方もある。イスラエル側は安全保障上の懸念から段階的撤退に慎重な姿勢を崩しておらず、米国の要求との間に調整が必要だとの指摘が出ている。
一方、ハマス側は武装解除を前提とした第2段階の条件に強く反発しており、交渉は容易ではない。国際社会は停戦の維持と和平プロセスの前進を後押しする立場を取っているものの、中東情勢は依然として不安定なままである。停戦合意後もガザでは断続的な衝突が続き、人道的状況の改善が大きな課題として残されている。
このため、トランプ氏とネタニヤフ氏の協議は、単に第2段階の計画を議論するだけでなく、停戦の持続や地域安定に向けた具体的な実行策を見出す重要な機会と位置付けられている。また、イランやレバノンのヒズボラに関する地域全体の緊張緩和も協議の焦点となる見込みであり、中東全体の安全保障環境にも影響を与える可能性がある。
この会談を通じ、和平プロセスがどこまで前進するかが注目される。各国の利害が複雑に絡む中で、合意形成の道筋は依然として不透明であり、中東和平への期待と懸念が交錯している。
