トランプ氏「イランと素晴らしい協議行った」核交渉の成果強調

▽両国の代表団は23日、オマーン仲介のもと、5回目の間接協議を行った。
トランプ米大統領(Getty Images/AFP通信)

トランプ(Donald Trump)米大統領は25日、イタリア・ローマの在オマーン大使館で行われたイランとの核協議について、成果を強調した。

トランプ氏はニュージャージー州モリスタウンの空港で記者団に対し、「交渉責任者から素晴らしい報告を受けた。週末にイランの代表団と非常に良い協議を行えた」と語った。

またトランプ氏は「重大な進展があった」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

両国の代表団は23日、オマーン仲介のもと、5回目の間接協議を行った。

アラグチ(Abbas Araghchi)外相は協議終了後、国営イラン通信(IRNA)の取材に対し、「仲介者であるオマーンがいくつかの提案を行ったことで、米国との核交渉が進展する可能性がある」と述べていた。

両国はそれぞれの提案を持ち帰り、検討後、次回協議を行う予定とのこと。

米国はイランに核開発を放棄するよう求めている。

第1次トランプ政権は2018年、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに厳しい経済制裁を科した。

イラン核合意は3.67%以上のウラン濃縮を禁止している。イランは24年末の時点で60%の高濃縮ウランを200キログラム近く保有している。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

イランは長い間、核兵器開発を否定してきた。しかし、イランはウラン濃縮を加速させ、兵器級とされる90%に近い60%の濃縮を続けている。

トランプ氏は1期目を通じて実践してきたイランに対する厳しい経済制裁を再開する大統領令に署名。イランの主要収入源である石油産業を標的とする制裁措置が発動した。

イランは平和利用であることを理由にトランプ政権の要求を拒否し、制裁を解除するよう求めている。

トランプ氏は最初の任期中、厳しい制裁を科し、イランの石油輸出をほぼゼロに追いやった。イランはバイデン政権下で制裁逃れに成功、輸出量は増加した。トランプ氏はこれを再びゼロにするつもりでいる。

トランプ氏は記者団に対し、「イランとの協議において、良いことを話すかもしれない」と語った。

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