治安部隊とISISが衝突、警察官3人とテロリスト6人死亡 トルコ
今回の衝突はクリスマスと年末年始にかけてテロ攻撃を計画していたとされるISIS容疑者に対する全国的な取り締まり作戦の一環で行われたものだ。
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トルコ北西部ヤロバ県で12月29日、過激派組織「イスラム国(ISIS)」とみられる武装勢力と治安部隊による銃撃戦が発生し、警察官3人とISIS戦闘員6人が死亡した。イェルリカヤ(Ali Yerlikaya)内相が明らかにした。今回の衝突はクリスマスと年末年始にかけてテロ攻撃を計画していたとされるISIS容疑者に対する全国的な取り締まり作戦の一環で行われたものだ。
事件が起きたのはヤロバ市中心部、警察の特殊部隊がISISが潜伏しているとみられる住宅を急襲した際に銃撃戦となった。イェルリカヤ氏によると、銃撃戦は午前2時頃に始まり、8時間に及んだという。死亡した6人のISIS戦闘員は全員トルコ国籍だったとされるほか、9人の警察官が負傷した。現場には女性や子どももいたため、作戦は慎重に進められ、5人の女性と6人の子どもが避難させられたという。
当局はこの襲撃に先立ち、12月中に少なくとも100カ所以上の地点でISIS関連施設に対する一斉捜査を実施していた。これらの一斉捜査で複数の容疑者が拘束されており、その目的はクリスマスや年末年始のテロ計画を阻止することであった。政府はこのような取り締まりを強化し、国内の治安確保に全力を挙げている。
今回の作戦によってヤロバ周辺では学校の閉鎖や電力・ガスの供給停止、立ち入り規制などの措置が取られ、地域住民への影響も出ている。治安当局は周辺地域での安全確保と情報収集に努めているが、状況は依然として緊迫しているとみられる。
トルコは過去にもISISによるテロ攻撃の標的となった経緯があり、2017年1月にはイスタンブールのナイトクラブでISIS関連の銃撃事件が発生し、多数の死傷者が出た。こうした過去の教訓から、当局はISISの潜在的な脅威に対して厳しい警戒を続けている。今回の衝突はISISがいまだに活動力を失っておらず、治安当局にとって深刻な課題であることを示している。
政府はISISとの戦いを国内外で継続する姿勢を強調しており、エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領も声明でテロへの断固たる対応を約束した。今回の事件は年末の祝祭シーズンと重なったため、国内の警備レベルは引き続き高い水準に維持される見通しだ。治安当局は今後もテロ対策を強化し、類似の事件の再発防止に向けた措置を進めるとしている。
