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核協議、イランが米国に「対案」提示へ、駆け引き続く

両国は今週、スイス・ジュネーブで間接的な核協議を行ったが、ウラン濃縮を巡る基本的な立場に違いを残している。
イラン、首都テヘランの通り(ロイター通信)

米国とイランの核交渉をめぐる緊張が高まる中、イラン政府は米側に提示する「対案」を数日以内に準備する方向で調整している。現地メディアが20日に報じた。これはトランプ(Donald Trump)米大統領が「限定的な軍事攻撃」の実施も検討していると述べるなど、外交と軍事の両面で激しい駆け引きが続いていることを反映した動きだ。

両国は今週、スイス・ジュネーブで間接的な核協議を行ったが、ウラン濃縮を巡る基本的な立場に違いを残している。イランのアラグチ(Abbas Araghchi)外相は国営メディアのインタビューで、米国が完全な濃縮停止を求めた事実はなく、イランも濃縮停止を申し出ていないと述べた。またアラグチ氏は「米側はゼロ濃縮を求めていない。われわれが話しているのは、イランの核計画と濃縮が平和的なものであり、永続的に平和的であることを確実にする方法だ」と説明した。

さらに、「技術的・政治的な信頼構築措置についても議論されている」と語り、これらの措置により核計画が平和的なものであることを担保することが協議の中心になるとの見解を示した。そのうえで、対案は2~3日以内に完成し、その後1週間ほどで本格的な交渉に入る可能性があるとした。

一方でトランプ氏は合意に達しない場合には限定的な軍事攻撃も選択肢として排除しない考えを示している。トランプ氏は20日、ホワイトハウスの記者団に対し、攻撃の可能性を認め、米軍の中東への展開を背景に圧力を強めている。米国は同地域に空母打撃群などを展開し、外交が行き詰まった場合に軍事行動に踏み切る準備を進めているという見方も出ている。

米側は同時に、イランが核兵器を取得することや濃縮能力を維持することは許容できないとの立場を示し、制裁解除と引き換えに核計画の平和利用を保証する具体策をイラン側に求めている。ただし、この「平和利用」の定義や監視・検証の仕組みを巡っては依然として大きな隔たりがある。

交渉が成功すれば、中東情勢の緊張緩和や国際的な安全保障への寄与が期待される一方で、合意に至らなければ軍事的対立に発展するリスクが高まるとの見方が強い。アラグチ氏自身も「軍事解決はない」と述べつつも、攻撃されれば「自らを守る」と強調し、平和と戦争の両方に備えていると強調した。

これまでの交渉には国際原子力機関(IAEA)も関与し、監視体制の強化や技術的な信頼づくりが議論されている。交渉の行方は今後数日から数週間で明らかになり、米国とイラン双方の対応次第で中東地域の安定に大きな影響を及ぼす可能性がある。

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