◎3人は2月8日に首都カブールで拘束された。
2022年2月11日/アフガニスタン、首都カブールの郊外にある湖、タリバンの戦闘員(Hussein Malla/AP通信)

2月11日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はアフガニスタンのタリバンに拘束されていた外国人ジャーナリスト2人と同機関の職員が解放されたと発表した。

タリバンの通信部門副大臣は9日、「UNHCRの職員を名乗る個人は機関に属することを証明できなかったため拘束された」とツイートしていた。報道によると、職員は関係機関を通じてタリバンに身元を証明したという。

UNHCRは11日の声明で、「UNHCRと共に働いていた2人のジャーナリストと、アフガニスタン人の現地職員が解放されたことに安堵している」と述べた。

3人は2月8日に首都カブールで拘束された。

外国人ジャーナリストの1人は英国放送協会(BBC)の元ジャーナリストで、アフガニスタンで広く活動してきたアンドリュー・ノース氏だった。

ノース氏の妻ナタリア氏は9日、ツイッターで夫とUNHCR職員の即時解放を呼びかけていた。「私たちはアフガニスタンのために働いているアンドリューとUNHCR職員の安全を確保するために、国際機関と影響力のある人々に支援を呼びかけています...」

米国に本部を置くジャーナリスト保護委員会(CPJ)も3人の解放を求める声明を発表していた。

タリバンはジャーナリストの活動を原則認めているが、一部の地方都市の当局者は政府に批判的な報道機関に嫌がらせをしていると伝えられている。

CPJアジア支局の広報担当は11日、「UNHCR職員およびジャーナリストの拘束は、アフガニスタンの報道の自由が低下していることを示唆している」と述べ、懸念を表明した。「タリバンはUNHCRを含む人道支援団体がアフガニスタンのために働いていると理解すべきです」

アフガニスタンの経済状況は昨年8月以来悪化の一途をたどっており、国連の報告によると、人口の97%が食料の確保に苦労しているという。アフガン中央銀行が米国内で保有していた資産はすべて凍結された。

ジョー・バイデン大統領は11日、アフガン中央銀行の資産70億ドル(約8,000億円)のうち35億ドルを9.11の犠牲者家族に寄付する大統領令に署名した。残りの35億ドルはアフガニスタンの援助に充てられる予定。

AP通信によると、35億ドルはタリバンではなく、アフガニスタンで活動する人道支援団体に提供されるという。

国際社会はタリバンをアフガニスタンの公式政府として認めておらず、世界銀行や国際通貨基金(IMF)なども援助を停止している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク