◎人権団体や女性の権利拡充を目指す活動家たちは美容院禁止令を「とんでもない蛮行」「ひげ面男の独りよがり」などと糾弾している。
アフガニスタンを統治するタリバンは4日、同国内の女性向け美容院に閉鎖を命じたと明らかにした。
勧善懲悪省の報道官はこの禁止令の詳細を明らかにしておらず、最高指導者アクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師の口頭命令によるものとしている。
それによると、アクンザダ師は6月24日付けの書簡で閉鎖を通知したという。
対象は全国。美容院は1カ月以内に営業を停止し、禁止令が解除されるまで店を閉める必要がある。また閉店状態を維持すると保証する書類の提出も求められるようだ。
アクンザダ師の書簡に閉鎖を命じた理由は書かれていない。
アクンザダ師は先月末、「同国の女性は豊かな生活を送っている」と主張していた。
人権団体や女性の権利拡充を目指す活動家たちは美容院禁止令を「とんでもない蛮行」「ひげ面男の独りよがり」などと糾弾している。
国連アフガン支援団(UNAMA)も4日、「禁止令を撤回させるためにタリバンと協議している」と声明を出した。
UNAMAはツイッターにも声明を投稿し、「タリバンに禁止令を撤回するよう促している」と書き込んだ。「女性の権利に対するこの新たな攻撃は同国の経済に悪影響を及ぼしています...」
タリバンは2年前の政権奪取時、女性の権利を保障すると約束したにもかかわらず、過酷な法令を導入してきた。
女性は現在、公園やジムなど、公共の場への立ち入りを禁じられている。この女性差別は西側の猛反発を招き、前政権が得ていた財政支援が打ち切られる事態に発展した。
タリバンは国をまともに運営できず、国際機関の人道支援に頼り切っている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、アフガンで生活する約2400万人が人道支援を必要とし、そのニーズを満たすためには46億2000万ドルもの資金が必要だという。