◎国連はタリバンに女子教育を含む女性の権利を尊重するよう求めている。
アフガニスタンを統治するタリバンは20日、新しい教育相を任命したと発表した。
国連は今週、6年生以上の女子生徒を中等学校に戻すようタリバンに改めて要請した。
タリバンは昨年、旧政府のように女性の権利を保護すると約束したが、まもなく方針を改め、女子生徒を学校から排除した。
国連の推計によると、学校に通えない女子生徒はこの1年間で100万人を超えたという。
タリバンの報道官は20日遅く、ムニール(Noorullah Munir)教育相代行の後任にアガ(Habibullah Agha)氏を任命したと発表した。
国連はタリバンに女子教育を含む女性の権利を尊重するよう求めているが、強硬派はこれに難色を示し、独自の判断で女子校を再開した州当局者を罰したと伝えられている。
西側諸国はタリバンが基本的人権を保障しない限り支援を再開することはないと示唆している。その結果、アフガンの経済は崩壊し、貧困・食料不足・暴力が蔓延するようになった。
国連アフガンミッションは声明で、「これは恥ずべき事態であり、その気になれば簡単に回避できる」と述べている。「タリバンが人権を軽視した結果、経済は混迷を極め、食料は不足し、少女は自宅に閉じ込められました」
タリバンは女子生徒のための中等学校を開設する計画に取り組んでいると主張しているが、開設時期は明らかにしていない。
タリバン政府内では強硬派が幅を利かせており、女性は公共の場でのブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)着用を強制され、仕事を失い、人道支援がなければ生活できない状態に追い込まれている。
ムニール氏は最近、南部ウルズガン州を訪れた際、「農村部の市民は娘を学校に行かせたがらない」と主張した。
一方、タリバン報道官は反体制派の拠点がある北東部パンジシール州の知事に内務副大臣を務めた強硬派を任命したと発表した。
パンジシール州の武装勢力「民族抵抗戦線(NRF)」は政権奪取から1年以上経った今もタリバンと戦闘を繰り広げている。