◎アクンザダ師は2016年にタリバンの最高指導者に就任したものの、公の場に姿を見せることはほとんどない。
タリバンの最高指導者であるアクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師が25日、アフガニスタンにおける女性の生活を向上させる措置が取られていると主張した。
アクンザダ師は2016年にタリバンの最高指導者に就任したものの、公の場に姿を見せることはほとんどない。
アクンザダ師はイスラム教の犠牲祭イード・アル・アドハ(6.27~7.1)に先立ち声明を発表。タリバンの女性抑圧政策を批判する西側を暗に批判した。
アフガンの女性や少女は進学や就労を禁じられるなど、厳しい状況に置かれている。
アクンザダ師は声明で、「タリバンはシャリア(イスラム法)の下、強制結婚を含む多くの伝統的な抑圧から女性を救うための具体的な措置を取り、女性の権利を守ってきた」と主張した。
またアクンザダ師は「タリバンはシャリアに基づき、より快適で豊かな生活を提供するために、社会の一員である女性の生活を向上させる新たな措置を取っている」と述べた。
タリバンはアクンザダ師の考えに基づき、中等教育から女子児童を排除し、女性の就労を禁じた。アフガンで活動する国連機関やNGOは女性の就労が禁じられたことを受け、活動を停止している。
アクンザダ師のメッセージは5つの言語で配信された。
アクンザダ師は「女性のヒジャブ(イスラム教のスカーフ)着用強制や誤った指導に関連する、20年にわたる占領(旧アフガン政権時代)の負の側面はまもなく終わる」と主張した。
「基本的人権を含む女性の権利を回復させるべく、女性を支援するすべての機関は活動を強化しているのです...」
タリバンは2年前の政権奪取時、女性の権利を保障すると約束したにもかかわらず、過酷な法令を導入してきた。
女性は公園やジムなど、公共の場への立ち入りを禁じられている。この措置は西側の猛反発を招き、前政権が得ていた財政支援が打ち切られる事態に発展した。
西側は制裁に近い措置をタリバンに科している。アフガン中銀の海外資産は西側政府の管理下に置かれている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は今年、アフガンで生活する約2400万人が人道支援を必要としており、それを満たすためには46億2000万ドルもの資金が必要と国際社会に訴えた。