◎1990年代の旧タリバン政権はあらゆる形態の音楽を禁じていた。
アフガニスタンを統治するタリバンが「不道徳な楽器」を燃やしたようだ。地元当局が7月31日、明らかにした。
それによると、西部ヘラート州のタリバン幹部は29日、数千ドル相当の楽器が燃えるところを見学したという。
タリバンは2021年の政権奪取以来、公共の場での音楽演奏を含む、音楽に関する数々の制限を課してきた。
タリバン報道官が共有した写真によると、燃やされた楽器にはギター、ハルモニウム、タブラ(太鼓の一種)、アンプやスピーカーなどが含まれていた。
これらの多くはヘラートの結婚式場から押収したものとされる。
勧善懲悪省の報道官はツイッターに声明を投稿。「音楽はイスラムの教えに反し、若者を惑わせる」と書き込んだ。
タリバンは7月19日にも楽器を燃やす写真をツイッターに投稿していた。この写真が撮影された地域は不明である。
1990年代の旧タリバン政権はあらゆる形態の音楽を禁じていた。
米国のアフガン侵攻後に発足した旧政権は音楽を再導入したが、2021年のタリバン復活後、多くのミュージシャンが国外に逃亡。国内にとどまる音楽関係者は差別や暴力に直面している。
タリバンはシャリア(イスラム法)を厳格に解釈し、音楽以外の分野にも厳しい制限を課してきた。その最前線にいるのが女性である。
タリバンは女性・少女の基本的人権を著しく侵害。教育、公共スペースへの立ち入り、就労などを禁じ、全国の美容院は先週、閉鎖を命じられた。