◎国内の美容院は1カ月以内に店を閉め、関係機関に必要書類を提出する必要がある。
アフガニスタンを統治するタリバンは6日、女性向けの美容院に閉鎖を命じたことについて、「一部の美容院がイスラム教で禁じられているサービスを提供し、市民を経済的に追い込んだため、閉鎖を命じざるを得なかった」と弁明した。
勧善懲悪省は今週、この禁止令を突然公布したが、詳細は明らかにしておらず、最高指導者アクンザダ(Hibatullah Akhundzada)師の口頭命令によるものとしている。
国内の美容院は1カ月以内に店を閉め、関係機関に必要書類を提出する必要がある。
この女性差別はアフガンの女性・少女の基本的人権を侵害する制限のひとつである。同国の女性は教育、公共スペースへの立ち入り、就労を著しく制限されている。
勧善懲悪省の報道官は6日の声明で、イスラム教に反する美容院が提供したとされるサービスを列挙した。▽眉毛の整形▽地毛を増やすために他人の毛髪を使用▽結婚式前の化粧など。
さらに報道官は「美容院は花婿の家族に経済的負担を強いている。花婿の家族は花嫁とその近親者の結婚式前の美容院費を支払うことが慣習になっている」と非難した。
「つまり、美容院は貧しい花婿の家族を経済的に追い込んでいるのです...」
この禁止令が公布される数日前、アクンザダ師は「アフガンの女性は豊かな生活を送っている」と主張していた。
首都カブールで美容院を経営する女性はAP通信の取材に対し、「2021年8月の政変以来、警察官の夫は失業中であり、一家の稼ぎ手は自分だけだ」と語った。「美容院は私たち家族の唯一の収入源です。これからどうやって生活していけばよいのでしょうか...」
また女性は「美容院で働く従業員3人も職を失うことになる」と嘆いた。
タリバンは国をまともに運営できず、国際機関の人道支援に頼り切っている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は今年、アフガンで生活する市民約2400万人が人道支援を必要とし、そのニーズを満たすためには46億2000万ドルもの資金が必要と報告。国際社会に支援を強化するよう呼びかけた。