◎首都カブールで私立大学を経営するマシャル教授は2日、市内で本を配っていたところ、タリバンの戦闘員に暴行を受け、拘束された。
アフガニスタンを統治するタリバンは2日、女子学生の中等学校・大学就学禁止令に反対する著名な教授を逮捕した。
SNSによると、首都カブールで私立大学を経営するマシャル(Ismail Mashal)教授は2日、市内で本を配っていたところ、タリバンの戦闘員に暴行を受け、拘束されたという。
マシャル氏は地元テレビ局のインタビューでタリバンの女子教育禁止令に抗議し、大学の運営免許を破り捨て、脚光を浴びた。
タリバンの報道官は3日、「反抗的な教授が混乱を引き起こし、我が国に危害を加えようとした」とツイート。マシャル氏を批判した。
目撃者によると、マシャル氏はタリバンの戦闘員に殴打され、どこかに連行されたという。しかし、タリバンの報道官は「マシャル氏は法律に基づき、適切な扱いを受けている」と主張した。
マシャル氏は元ジャーナリストで、カブールの私立大学を経営。女性学生約450人がジャーナリズム、工学、経済学などを学んでいた。
マシャル氏は昨年12月、タリバンが女子学生を大学から排除すると学校を閉鎖し、「教育は万人に提供するかしないかのどちらかだ」と宣言した。
またマシャル氏は地元テレビ局のインタビューで、「殺されるかもしれないが、これ以上黙っていたくない」と述べ、大学の運営免許を破り捨てた。
マシャル氏によると、この1カ月で多くの脅迫を受けたという。しかし、同氏はそれでもほぼ毎日地元のテレビや海外メディアのインタビューに応じ、カブール市内で教科書や本を配っている。
マシャル氏は先月放送された英BBCのインタビューで、「たとえ殺されようとも、八つ裂きにされようとも、黙っていられない」と語っていた。
またマシャル氏は「女性差別に抗議することが重要であり、世の男性はもっとも声を上げるべきだ」と訴えた。
国連アフガン支援団(UNAMA)は先月、タリバンの教育相と会談し、この問題について協議した。
西側諸国はタリバンの女性差別に強く反対し、欧米の主要国は女性の権利が保障されない限り、タリバン政権を公式に認めず、支援も再開しないと示唆している。