◎西側はアフガニスタンで進行中の人権侵害と人道的危機の解消を目指している。
2022年1月23日/ノルウェー、オスロのホテル、タリバンの外交当局者(Torstein Boe/NTB/AP通信)

1月23日、タリバンの代表団はノルウェーの首都オスロで西側の使節団と会談し、アフガニスタンで進行中の様々な問題について協議した。

タリバンが西側の代表と公式の場で会談するのは昨年8月のカブール陥落以来、初めて。

会談は25日まで行われる予定。西側はアフガニスタンで進行中の人権侵害と人道的危機の解消を目指している。

オスロの外務省前ではタリバンとの協議に反対する市民が抗議デモを行った。ノルウェー以外でも同様のデモが開催されたと伝えられている。

オスロのデモに参加した人権活動家はAFP通信の取材に対し、「タリバンは行動で示す必要がある」と述べた。「アフガニスタンの女性と女児は虐げられています...」

タリバンのシャフィウラ・アザム氏は初日の協議終了後、AP通信の取材に対し、「今回の会談はアフガニスタン政府を公式承認する第一歩であり、欧米のタリバンに対する誤った認識を消し去る」と述べた。

しかし、ノルウェーの外相は以前の声明で、「会談の目的はタリバン政府の公式承認ではない」と述べていた。

AP通信によると、2日目の協議はアフガニスタンの未来を左右する重要な話し合いになる可能性が高いという。タリバンは米国に凍結されたアフガン中央銀行の資産約95億ドル(1兆円)へのアクセスを要求する予定。

西側諸国の制裁と国際機関の援助停止はアフガニスタンの経済に大打撃を与え、通貨価値は暴落し、食料価格と失業率を押し上げた。タリバンは預金の引き出しに制限を設けており、国連によると、人口の55%が飢餓の危機に直面しているという。

20年前にノルウェーに移住したアフガニスタンの女性はAP通信に、「タリバンの体制は2001年以前と何も変わっていない」と述べ、タリバン代表団の申し出を却下するよう求めた。「市民を殺し、女性を差別する凶悪なテロリストと交渉すべきではありません...」

西側の使節はタリバンに基本的人権を尊重し、投票権を含むあらゆる権利を保障するよう求めると期待されている。

タリバンは昨年8月の会見で女性の権利を保障すると約束したが、女性労働者の大半が自宅待機を命ぜられ、女児は学校から追放された。タリバンの女性差別を非難した一部の女性活動家は身柄を拘束されたと伝えられている。

ノルウェーのアニケン・ホイットフェルト外相は、「会談の目的はタリバン政府の公式承認ではない」と強調したうえで、「西側はアフガニスタンの事実上の統治者と話をしなければならない」と述べ、会談を擁護した。

米国の代表団を率いるアフガニスタンのトム・ウェスト特別代表は会談前の声明で、「使節団は政治システムの形成、人道および経済的危機への対応、国のセキュリティおよびテロ対策における懸念事項、少女と女性の権利を含む基本的人権について協議する」と述べた。

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