◎和平に向けた本交渉は1月9日から正式に再開する予定だという。
◎タリバンは自分たちが戦後のアフガンスタンで果たす役割と、復興に向けたロードマップを政府に提案すると伝えられている。
2020年11月21日 AP通信/カタール、首都ドーハ、マイク・ポンペオ米国務長官(中央左)とアフガニスタンのサダト・マンスール・ナデリ平和大臣(中央右)

今週初め、カタールの首都ドーハでアフガニスタン政府とタリバンの和平協定が再スタートを切った。

会談は1月5日に始まったが、タリバンの首席交渉官がパキスタンに滞在していたため、和平に向けた本交渉は1月9日から正式に再開する予定だという。

米国防総省の高官もパキスタンに滞在し、8日に軍指導部との会談を行っている。

パキスタンの米大使館の声明によると、国防総省高官とパキスタン防衛次官補代理は、アフガニスタンで続いている暴力の速やかな停止について話し合ったという。

米大使館の声明:
「アメリカとパキスタンは、アフガンの暴力を減らし、政府とタリバンが有意義な交渉を再開できるようにすることに合意した」

パキスタンはタリバンに大きな影響力を持ち、交渉の席に立たせるうえで重要な役割を担ってきた

パキスタン政府は、「タリバンは暴力を停止し、同時にアフガン政府も戦闘を削減しなければならない」と繰り返し主張してきた。

なお、タリバンの首席交渉官、ムラ・ハキム氏がパキスタンに滞在した理由は明らかにされていない。タリバンのリーダーシップ評議会は、パキスタン南東部の都市、クエッタに本部を置いている。

2020年11月21日 AP通信/カタール、首都ドーハ、マイク・ポンペオ米国務長官とタリバンの共同創設者であるムラ・アブドゥル・ガニ・バラダール氏

アメリカの平和特使、ザルメイ・ハリルザド氏は、「長引く戦闘、混乱、テロが平和へのチャンスを浪費している」と双方に警告し、和平への第一歩として暴力の削減を求めてきた。

一方、タリバンの当局者はAP通信の取材に対し、「タリバンはアフガニスタン政府を信頼していない」と語った。また、AP通信によると、報道官のモハマド・ネーム氏も即時の停戦は考えていないように見えたという。

ネーム氏はAP通信のインタビューの中で、「会談の議題はまだ決まっていない。停戦に関する問題がいつ話し合われるか、いつ決まるかは白紙の状態」と述べた。

専門家は、「タリバンは戦後のアフガニスタンがどのように進んでいくか、政府との権力共有の取り決めはどうなるのかを知りたいと考えている」と指摘した。

タリバンは自分たちが戦後のアフガンスタンで果たす役割と、復興に向けたロードマップを政府に提案すると伝えられている。

しかし、アフガニスタンの地元メディアによると、同国のアシュラフ・ガニー大統領はタリバンとの連立政権樹立の可能性を除外したという。

ガニー大統領の元顧問、トレック・ファーハディ氏は、「タリバンを含む他の勢力との連立政権の利点は、対立してきたグループと速やかに交渉を行えることだ」と述べた。

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