◎10月4日、武装勢力タリバンは内閣の副官ポストから女性を排除し、完全な男性内閣を形成した。
10月4日、アフガニスタンを統治する武装勢力タリバンは内閣の副官ポストから女性を排除し、完全な男性内閣を形成した。
タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官は4日、38人を各省の副官に任命したと発表した。現地メディアによると、38人に女性および少数派グループの関係者は含まれておらず、主にタリバンの生え抜きで構成されていたという。
国際社会は民主的かつマイノリティに配慮した政府を構築するようタリバンに要求しているが、イスラム法を順守する武装した男たちはこれらの要求に応じるつもりはないとあらためて行動で示した。
しかし、タリバンは国際社会の要求を無視しているにもかかわらず、年間数十億ドルの援助を求めている。アフガニスタンは資金不足、食糧不足、干ばつ、貧困、イスラム国(ISIS)とそれに関連するジハード組織がもたらす安全保障上の脅威などの問題に直面しており、崩壊の危機に瀕している。
4日に発表された副官ポストは首相の政治担当副大臣、各省の副大臣、アフガニスタン赤十字・赤新月社の副長官など。現地メディアによると、これらのポストに任命された者は首都カブールやその他の州で活動する軍の司令官や上級将校で構成されていたという。
世界銀行と国際通貨基金(IMF)は8月、アフガニスタンに対する援助を一時的に停止した。さらに、アメリカはアフガニスタン中央銀行が米国内で保有していた資産数十億ドルを凍結し、タリバンの資金繰りは一層苦しくなった。
世界銀行の報告によると、国際社会の財政援助は旧アフガニスタン政府の公的支出の約75%を占めていたという。援助の停止は国立病院の運営、公共インフラの管理、そして関係国との貿易取引に深刻な影響を与えると懸念されている。
タリバンのムジャヒド報道官は4日の会見の中で副官を暫定政府の一部と説明したが、選挙を行うかどうかについては言及しなかった。