シリア東部で国軍とクルド系組織SDFが衝突、兵士1人死亡
暫定政府は今年3月、SDFと国家機関を統合することで合意した。
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シリア東部アレッポ県で国軍の部隊とクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」が衝突し、兵士1人が死亡した。国営シリア・アラブ通信(SANA)が12日に報じた。
国防省は声明でSDFに対し、合意を遵守し、政府軍を標的とする行為を停止するよう求めた。
また同省は「このような行為が続けば、悲惨な結果を招く」と警告した。
暫定政府は今年3月、SDFと国家機関を統合することで合意に達したと発表。シャラア(Ahmed al-Sharaa)暫定大統領がダマスカスでSDFのアブディ(Mazloum Abdi)司令官と会談した。
この合意は14年にわたる内戦で分断された国を再統合し、シリアの4分の1を支配するクルド系勢力と政府の統合の道筋をつけることを目的としている。
この合意が履行されれば、その地域は中央政府の支配下に置かれることになる。
しかし、SDFが国家機関とどのように統合されるかは明記されていない。
SDFは以前、組織単位で国家機関と統合すると主張。暫定政府は個人単位での統合を望んでいる。
SANAは先週末、政府関係者の話しとして、「政府はフランス・パリで予定されているSDFとの会合に代表団を派遣しない」と報じた。
SDFは米政府の支援を受け、シリアにおけるイスラム国(ISIS)との戦いで主導的な役割を果たしてきた。
その先頭に立つのは「クルド人民防衛部隊(YPG)」で、トルコ政府はこれをテロ組織に指定している「クルド労働者党(PKK)」の同盟組織とみなしている。