シリア指導者が暫定憲法に署名、新たな起草委員会発足へ
▽恒久的な憲法を起草するための新たな委員会が結成される予定だが、シリアの政治的、宗教的、民族的グループを包含するものになるかどうかは不明である。
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シリアのシャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領が13日、暫定憲法に署名した。
暫定憲法の起草を任された委員会の委員7人は記者会見で、「国家元首はイスラム教徒でなければならないという規定や、イスラム法が法学の主要な源であるという規定などは維持する」と語った。
また委員たちは、表現の自由と報道の自由を謳う条項も含まれていると強調。「この暫定憲法はシリアの不安定な政治状況の中で、社会保障と自由のバランスをとるものだ」と評した。
恒久的な憲法を起草するための新たな委員会が結成される予定だが、シリアの政治的、宗教的、民族的グループを包含するものになるかどうかは不明である。
アサド(Bashar Assad)前大統領は24年12月、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派に敗れ、ロシアに亡命。50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。
シャラア氏はHTSの指導者であり、アサド政権崩壊以来、国を率いてきたが、クルド人を含む少数派をまとめるのに苦労してきた。
シャラア氏は国民対話で全ての民族が納得する包括的な憲法を起草すると約束。各グループはアサド一族が作った古い憲法を廃止し、新憲法を起草することで合意した。
多くの市民がアサド一族の独裁的な支配が終わることを歓迎する一方、宗教的、民族的少数派は新しい指導者たちに懐疑的で、暫定政府が自分たちの地域の支配権を主張することに消極的であった。
シャラア氏は10日、米政府の支援を受けるクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」と国家機関を統合することで合意。停戦と双方の治安部隊を統合する画期的な協定を結んだ。