◎シリアのクルド人勢力は2019年3月に敗北したイスラム国(ISIS)との戦いにおいて、米国の主要な同盟国であった。
シリア北東部に拠点を置くクルド人主導の民兵組織シリア民主軍(SDF)が4日、米軍などに対し、トルコ軍によるドローン攻撃への立場を明確にするよう求めた。
この前日、トルコ軍のドローンがクルド人自治区の車両を攻撃し、クルド人1人と米軍の支援を受けるSDFの戦闘員4人が死亡、2人が負傷した。
SDFを含むクルド民兵組織はトルコでテロ組織に指定されているクルド労働者党(PKK)と同盟関係にある。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。米国とEUもPKKをテロ組織に指定している。
シリアのクルド人勢力は2019年3月に敗北したイスラム国(ISIS)との戦いにおいて、米国の主要な同盟国であった。
3日のドローン攻撃はトルコとクルド当局の数カ月にわたる緊張がさらに高まり、湾岸諸国を巻き込む大規模な紛争に発展する可能性があることを示しているように見える。
SDFによると、爆撃された車両に乗っていた戦闘員4人は自宅に向かっていたという。
SDFは4日の声明で「米国率いる連合軍は我々の仲間を標的にするトルコ軍の空爆に関して、立場を明確にする必要がある」と述べている。
米政府はこの声明に関するコメントを出していない。米国とトルコはNATOの同盟国である。