シリア・キリスト教会、ダマスカスの自爆テロを非難、25人死亡

テロは22日に発生。テロリストが日曜礼拝で混雑する教会に入り、礼拝者に向けて発砲した後、爆弾ベストを起爆。25人が死亡し、63人が重軽傷を負った。
2025年6月22日/シリア、首都ダマスカス郊外、自爆テロが発生した教会(AP通信)

シリアのキリスト教会は24日、ダマスカス郊外の教会で発生した自爆テロについて、シャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領が少数派の保護を怠った結果発生したと主張し、その責任を負っていると指摘した。

テロは22日に発生。テロリストが日曜礼拝で混雑する教会に入り、礼拝者に向けて発砲した後、爆弾ベストを起爆。25人が死亡し、63人が重軽傷を負った。

犯行声明を出した組織は確認されていないが、イスラム国(ISIS)系組織に疑惑の目が向けられている。

このような自爆テロがダマスカスで発生したのは数年ぶり。昨年末にアサド政権が崩壊して以来初であった。

暫定政府はISISを非難。一方、キリスト教徒を含む少数派は「全国民を保護する」という暫定政府の約束に疑問を呈している

ダマスカスのギリシャ正教総主は合同葬儀で、「シャラア大統領は昨日、電話で弔意を表明したが、不十分である」と述べた。

また総主は「電話連絡には感謝しているが、起こった犯罪はそれよりもはるかに重大である」と強調した。

国連によると、内戦が始まる前のシリアのキリスト教徒の割合は人口の約10%。その数は14年間の内戦中で激減し、現在は10万~20万人と推定されている。

米国務省は声明でこの自爆テロを非難し、暫定政府に対し、加害者全員の責任を問い、宗教的・民族的少数派を含むすべてのシリア人の安全を確保するよう求めた。

暫定政府は23日、治安部隊がISISが使用していた隠れ家を急襲し、この教会に侵入した1人を含むメンバー2人を殺害したと明らかにした。

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