シリア当局、アサド前大統領の従兄弟を逮捕、麻薬密売容疑
カプタゴンは「貧乏人のコカイン」と呼ばれ、アラブ諸国や欧州などで人気を集めている。
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シリア当局が麻薬密売と前政権に忠実な勢力への支援に関与したとして、米国から制裁を受けているアサド(Bashar Assad)前大統領の従兄弟を逮捕した。内務省が21日、明らかにした。
同省は従兄弟がいつどこで逮捕されたか明言せず、「麻薬密売を含む複数の容疑で指名手配されていた」と述べた。
米財務省は2023年3月、この男に制裁を科し、「政府を支援するため民兵組織の結成を公然と呼びかけ、地域的な麻薬密売ネットワークの主要人物として、高官級の供給業者と提携し、地域全体にカプタゴンなどの違法薬物を供給してきた」と指摘した。
カプタゴンは「貧乏人のコカイン」と呼ばれ、アラブ諸国や欧州などで人気を集めている。シリア内戦でもカプタゴンが大量に出回り、多くの戦闘員が恐怖や不安を減らすために使用したとされる。
シリアのカプタゴン産業の規模は数十億ドルと推定されている。
アサド政権は違法薬物の密売で外貨を獲得してきた。暫定政府のシャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)大統領はカプタゴンの取り締まり強化を約束している。
アサド氏は昨年末、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。