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シリア暫定政権、クルド系勢力との合意受け4日間の停戦を発表

この停戦は政府軍とクルド系勢力の戦闘を一時的に停止させるもので、シリア北東部を巡る緊張緩和への試みとみられている。
2026年1月20日/シリア、北部アレッポ近郊、治安部隊の車列(ロイター通信)

シリア国防省は20日、クルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」との新たな合意に基づき、同日午後8時(現地時間)から4日間の停戦を実施すると発表した。この停戦は政府軍とクルド系勢力の戦闘を一時的に停止させるもので、シリア北東部を巡る緊張緩和への試みとみられている。

今回の合意は1月18日に暫定政権とSDF指導部が交渉を行い、軍事衝突を止めることで基本的な理解に達したことを受けたものだ。シャラア(Ahmed al-Sharaa)大統領とSDFのアブディ(Mazloum Abdi)司令官が署名し、SDFは戦闘行為を停止する一方、政府側は地域支配と統治機構の統合に向けた措置を進めることに合意したとされる。

この停戦は数日前から政府軍が北東部の主要都市ラッカやデリゾールなどSDF支配地域に進軍し、激しい戦闘が続いていたことを受けて発表された。政府軍はこれまでクルド勢力が長年にわたり実効支配していた地域への進出を進めており、その過程で衝突が激化していた。両者の間ではSDFの自治体制と政府の中央集権体制をどう調整するかをめぐる対立が背景にあるとみられる。

合意内容の詳細はまだ詰められている段階だが、これまでの報道では、SDF側はクルド多数地域での一定の自治権維持を求める一方、政府側は行政機構や治安体制をシリア国家の枠組みに統合する意向を示しているという。両者は将来的にクルド主体の自治組織を国の政治・軍事機構に組み込むことを模索しているとの見方もある。

一方、停戦発効前後にも小規模な衝突が報じられており、完全な戦闘停止には至っていない地域もある。これらの局地的な衝突は、合意の実効性や地域住民の不安定な状況を反映している。SDF側はこれまでイスラム国(ISIS)残党掃討作戦で国際社会の支援を受けてきたが、今回の合意に対して強い疑念や困惑を抱く勢力も存在する。

国際社会の反応はさまざまだが、フランスなど西側諸国は停戦合意を歓迎しつつも、クルド勢力の安定した地位確保と人道支援の重要性を強調している。フランス外務省は声明で、シリアの主権および領土的統合を支持すると同時に、戦闘により被害を受けた住民への支援継続を訴えた。

停戦の実施期間中、両者は対話を進め、長期的な政治的解決や地域統治の枠組みについて協議を行う予定だ。しかし、停戦が恒久的な平和につながるかどうかは不透明であり、今後の交渉が注目される。合意が確実に履行され、地域住民の安全と安定した生活が確保されるかどうかが、国際社会の関心となっている。

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