◎米政府は8月31日、紛争当事者に戦闘の即時終結を呼びかけ、この地域における混乱がISISの復活を助長する可能性があると警告した。
米国の支援を受けるクルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」がシリア東部に増援部隊を送り、アラブ系部族への攻勢を強めている。現地メディアが2日に報じた。
最初の戦闘が報告されたのは8月28日。その前日、SDFはかつて同盟を結んでいたアラブ民兵の司令官とその関係者数人を拘束していた。
AP通信によると、ここ数日の戦闘で50人以上が死亡、数十人が負傷したとみられる。
戦闘が報告されている東部地域はかつてイスラム国(ISIS)が支配していたエリアであり、SDFは米軍の支援を受けてその残党を取り締まっている。
米政府は8月31日、紛争当事者に戦闘の即時終結を呼びかけ、この地域における混乱がISISの復活を助長する可能性があると警告した。
APによると、SDFとアラブ系部族は2日、東部のアルオマール油田(シリア最大の石油施設、米軍基地がある)近くで衝突したという。
SDFの報道官はAPに、「我々はアサド政権とイランの支援を受けるアラブ民兵が拠点を置く地域からの物資輸送を断ち切るため、油田とユーフラテス川周辺で前進している」と語った。
また報道官は重武装した兵士約400人が増援として現場に派遣されたと明らかにした。
SDFは1日夕方、ユーフラテス川東岸で生活する市民を対象とする48時間の夜間外出禁止令を発令した。
イギリスのNGOシリア人権監視団は一連の戦闘で少なくとも54人が死亡、数十人が負傷したと報告している。
シリア東部には少なくとも900人の米兵とそれに関連する不特定多数の請負業者が駐留している。米軍はSDFなどと連携してISISの復活を阻止している。