シリア暫定大統領がプーチン氏と会談「過去の合意尊重する」
アサド政権崩壊以来、シリアとロシアの首脳が会談したのは初めてである。
とシリアのシャラア大統領(ロイター通信).jpg)
シリア暫定政府のシャラア(Ahmed al-Sharaa)大統領が15日、訪問先のロシア・モスクワでプーチン(Vladimir Putin)大統領と会談した。
現地メディアによると、シャラア氏はプーチン氏に対し、自国とロシアの間で結ばれた過去の合意を全て尊重すると伝えたという。
シリアのタルトゥースにはロシア海軍の基地、フメイミムにはロシア空軍基地がある。
シャラア氏はかつてのアルカイダ系組織「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」の元指導者であり、プーチン氏の盟友アサド(Bashar Assad)前大統領を打倒した人物である。
アサド氏は昨年末、HTS率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。
アサド政権崩壊以来、シリアとロシアの首脳が会談したのは初めてである。
シャラア氏はプーチン氏に対し、「ロシアとの間には二国間関係と共通の利益が存在し、我々はロシアとの全ての合意を尊重する。ロシアとの関係性の本質を再定義する作業を進めている」と述べた。
プーチン氏はこれに対し、関係修復に向け、ロシアは可能な限りのことを行う用意があると応じた。
ロシア大統領府は会談後の声明で、「ロシア政府はシリアの石油プロジェクトに取り組み、長年の内戦で破壊されたエネルギー、鉄道、その他インフラの復旧を支援する用意がある」と表明。「両首脳はこの件についてじっくり話し合った」と述べた。
ロイター通信は情報筋の話しとして、シリア側はロシアがアサド軍の残党を支援しないという確約を求めていると報じた。
ロシアのメディアによると、アサド氏とその妻はモスクワ市内でひっそりと暮らしている。
シャラア氏はアサド氏を裁判にかけるため、プーチン氏に身柄の引き渡しを正式に要請したとみられる。