◎シリア北西部の大部分はアルカイダ系組織のひとつであるイスラム聖戦主義同盟ハヤト・タハリール・アルシャムと隣国トルコの支援を受ける勢力の支配下に置かれており、そこで発生した戦闘・空爆の被害を確認することは困難である。
国際テロ組織アルカイダとつながりのある武装勢力がシリア北西部にあるアサド政権の拠点を攻撃し、兵士少なくとも9人を殺害した。地元当局が1日、明らかにした。
イギリスのNGOシリア人権監視団によると、アルカイダ系組織のひとつであるイスラム聖戦主義同盟ハヤト・タハリール・アルシャムが攻撃に関与したとみられ、兵士9人が死亡、12人が負傷したという。
中央政府は今のところ声明を出していない。
ハヤト・タハリール・アルシャムの活動を追跡している活動家はX(旧ツイッター)に、「アサド政権の拠点のひとつであるラタキア県への攻撃で兵士18人が死亡した」と投稿している。
この1週間前にはクルド系組織とみられる反政府勢力がアサド軍の陣地を攻撃し、30人以上が死傷している。
2020年3月にロシアとトルコの間で結ばれた休戦協定はロシアが支援するアサド政権による北西部イドリブ県への攻勢を終結させたが、協定は何度も破られ、多数の死傷者を出している。
シリア北部の別の地域ではトルコが支援する反体制派の武装集団がクルド人の支配地域にある集落を一時占領したと伝えられている。シリア人権監視団によると、クルド人部隊は数時間後に集落を奪還したという。
米国が支援するクルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は1日、北部の集落でトルコ系武装集団の戦闘員を殺害したと明らかにした。
AP通信は北部地域で活動する活動家の話しとして、「SDFが集落を奪還した後、ロシア軍がこの集落を空爆した」と伝えている。
シリア東部でもいくつかの地域でクルド人民兵とアラブ系部族の戦闘が激化している。
シリア北西部の大部分はハヤト・タハリール・アルシャムと隣国トルコの支援を受ける勢力の支配下に置かれており、そこで発生した戦闘・空爆の被害を確認することは困難である。