▽イスラエルは緩衝地帯占領後、アサド旧政権の兵器や施設を破壊するため、シリア全土を数百回空爆した。
シリアの暫定政権を率いるジャウラニ(Abu Mohammad Al-Julani、本名アフマド・シャラ)氏が16日、イスラエル軍によるシリア南部への空爆を非難した。
ジャウラニ氏はカタールのムハンマド(Sheikh Mohammed bin Abdulrahman bin Jassim Al Thani)首相との共同記者会見でこの空爆に言及。「イスラエルによる侵略を受け入れることはできない」と断じた。
国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、シリア南部の緩衝地帯近くへの空爆で少なくとも3人が死亡、5人が負傷したという。
ジャウラニ氏は「イスラエル軍はイラン民兵の存在を口実に緩衝地帯に進入したが、シリアが解放された今、この口実はもはや通用しない」と強調した。
シリアとイスラエルの国境は1974年の国連仲介による協定により非武装地帯に指定され、何十年もの間、平穏を保っていた。
しかし、昨年12月8日にアサド旧政権が崩壊した後、イスラエル軍は「敵対勢力を阻止する」と称して緩衝地帯に入った。この動きは地元住民やアラブ諸国から批判を浴びた。
ジャウラニ氏は演説の中で、「シリアは緩衝地帯に国連PKOを迎え入れる用意がある」と表明した。
イスラエルは緩衝地帯占領後、アサド旧政権の兵器や施設を破壊するため、シリア全土を数百回空爆した。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でゴラン高原をシリアから奪い取り、合わせてガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、東エルサレムを占領した。
ゴラン高原はイスラエルの人気観光地であり、ホテルやレストランが立ち並び、ほとんどの住民がヘブライ語を流暢に話す。住民とイスラエル当局が衝突することはほとんどない。
ゴラン高原では約3万1000人のユダヤ人入植者が数十の入植地で生活している。