◎今年シリアで不発弾の爆発に巻き込まれ死亡した人は確認されているだけで176人に達した。
シリアの地雷原(Getty Images)

シリアの救助ボランティア団体「ホワイト・ヘルメット(シリア民間防衛隊)」は5日、北部の町のアパート内で地雷が爆発し、幼い4兄弟が死亡したと報告した。

ホワイト・ヘルメットによると、現場は北部の反政府勢力が支配する町。4兄弟はアパート内で爆発に巻き込まれ即死したと報告されているが、それ以上の詳細は不明である。

イギリスに本拠を置くNGO「シリア人権監視団」も4兄弟の死亡を確認したと報告。爆発が確認されたアパートは内戦で自宅や家族を失った人々の避難所になっていたという。

そこに地雷が持ち込まれた理由は明らかにされていないが、同監視団は売却目的で集めた金属くずの中に地雷が混ざっていた可能性があると指摘した。

国連などによると、今年シリアで不発弾の爆発に巻き込まれ死亡した人は確認されているだけで176人に達したという。そのうち10人が女性、91人が子供だった。

2011年3月に勃発したシリア内戦の犠牲者は40万人近くに達し、国土の大部分は廃墟と化し、人口の半数以上が避難民になり、数百万人がトルコやレバノンなどに逃亡した。

アサド政権と反政府勢力は各地にブービートラップを設置している。地雷原に踏みこむ市民は少ないが、金属くずを売って生活している子供や女性が道端に放置されている不発弾で死亡することは珍しくない。

アサド(Bashar al-Assad)大統領は主要な後ろ盾であるイランとロシアの支援を受け、国土の大部分を支配しているが、内戦が終結する見通しは全く立っていない。

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