▽ラタキア県では暫定政府を支持する民兵とアサド派の武装勢力による戦闘が激化し、この1週間で1300人以上が死亡したとされる。
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シリア暫定政府は10日、北西部ラタキア県とその周辺における軍事作戦を終了したと発表した。
ラタキア県では暫定政府を支持する民兵とアサド派の武装勢力による戦闘が激化し、この1週間で1300人以上が死亡したとされる。
アサド(Bashar Assad)前大統領を支持する勢力は6日、警察の車列に待ち伏せ攻撃を仕掛け、少なくとも13人を殺害したとみられる。
暫定政府を支持する勢力はこれに反発し、ラタキア県のいくつかの集落を襲撃。アサド派を支持するアラウィ派とみられる数十人を殺害したとされる。
国防省は声明で、「6日の警察パトロール隊に対するアラウィ派武装集団による奇襲攻撃が地域一帯の広範な戦闘に発展し、その間に多くの市民が殺害された」と述べた。
暫定政府はシリア全土でその権威を発揮し、他の少数民族、特に北東部のクルド人や南部のドルーズ派との政治的和解を達成するのに苦労している。
政府は反乱をほぼ封じ込めることに成功したようだ。
SNSにはアラウィ派を標的とする報復攻撃の動画がいくつも投稿されている。
イギリスのNGOシリア人権監視団は830人の市民を含む1130人が戦闘で死亡したと報告している。
被害の全容は明らかになっておらず、暫定政府は現場で何が起きたのか説明できていない。
アサド氏は24年12月、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派に敗れ、ロシアに亡命。50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。
アナリストたちはアラウィ派の武装勢力が治安部隊への攻撃を強化していると指摘している。
シャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領は7日、アサド派勢力に武器を引き渡すよう呼びかけ、暫定政府側の勢力には一般市民を攻撃しないよう呼びかけていた。
ラタキア県近郊にはロシア軍のフメイミム空軍基地がある。
シリア内戦の犠牲者は50万~60万人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
シリア人権監視団によると、ラタキア県とその周辺地域では電気と水道が使用できない状態。食料品店や学校も軒並み閉鎖されているという。